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2020年11月26日(木)

沖縄のオンライン演説会

「沖縄の歴史は知らない」――政府の責任ある者は決して言ってはならない

志位委員長の訴えから

 日本共産党の志位和夫委員長が23日の沖縄のオンライン演説会で行った訴えのなかから、菅首相の沖縄に対する向き合い方を厳しく批判した部分を紹介します。

翁長知事(当時)の訴えに、「沖縄の歴史は分かりません」(菅長官)

 ここで私が訴えたいのは、菅首相の沖縄に対する向き合い方のあまりの非情さという問題です。

 今でも思い出します。2015年、政府と沖縄県との集中協議が行われました。その場で翁長雄志知事(当時)はこうおっしゃった。

 「今日まで沖縄県が自ら基地を提供したことはない。すべて強制接収されたものだ。自ら奪っておいて、『おまえたち、代替案を持っているのか』、こういった話がされること自体が日本の国の政治の堕落ではないか。……官房長官の『粛々』という言葉を聞くと、問答無用という姿勢が感じられ、『沖縄の自治は神話』だと言い放ったキャラウェイ高等弁務官の姿が思い出される」

 このことを翁長さんは、当時の菅官房長官に正面切って訴えたのであります。それに対する菅長官の答えは、「戦後生まれなので、沖縄の歴史については分かりません。辺野古が唯一の解決策だ」というものだったのです。

1997年の国会で――野中広務氏(元自民党幹事長)が行った委員長報告

 みなさん、「沖縄の歴史は知らない」。私は、このセリフは、政府の責任ある者は、決して言ってはならないと思います。そして、少し前の自民党の政治リーダーならば、決して言わなかったセリフであります。

 私が思い出すのは、亡くなった野中広務元自民党幹事長です。1997年、強権的に米軍用地を取り上げる特措法が強行されました。私も断固反対の立場で質疑に立ちましたが、沖縄から激しい怒りの声が起こりました。そのときに特別委員会の委員長を務めていたのが野中さんだったんです。

 野中さんは、この法案が衆議院で強行採決されたときの衆院本会議の委員長報告で、突然、沖縄戦で日本軍によって住民が殺されたことを聞かされたという自らの体験を語りつつ、次のように述べました。

 「この法律がこれから沖縄県民を軍靴で踏みにじるような、そんな結果にならないように、そして、古い苦しい時代を生きてきた人間として、国会の審議が、どうぞ再び大政翼賛会のような形にならないように若い皆さんにお願いしたい」

 こうおっしゃった。私は、席で聞いておりまして、大きな衝撃を受けました。委員長報告というのはそういうことは基本的に言えないんです。それをあえて言った。たいへん大きな印象が残っております。

 私は、野中さんとは、書記局長の時代に、書記局長・幹事長討論会などでずいぶん激しく対決し、やりあったものでした。また、野中さん自身は、辺野古基地をすすめた立場にありました。しかし、少し前の自民党のリーダーは、「沖縄の歴史は知らない」などという恥知らずなことは、口が裂けても言わなかったのです。

自民党はかつての自民党とは違う政党に――「オール沖縄」の発展を

 ところが安倍政権・菅政権は、それを平気で口にする。

 私は、自民党はかつての自民党とは違った政党になってしまっていると思います。保守政党というより、ウルトラ右翼政党になってしまっているんじゃないでしょうか。だからこそ、沖縄では、亡くなった翁長雄志さんをはじめ、多くの保守の方々と私たちとの共同――「オール沖縄」がつくられ、発展しているんじゃないでしょうか。

 この「オール沖縄」の底力を発揮して、菅政権に断固たる審判を突き付けようじゃありませんか。総選挙で4人の全員勝利をかちとり、辺野古新基地を止め、普天間基地の即時閉鎖・撤去をかちとろうではありませんか。


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