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2020年11月28日(土)

主張

19年政治資金報告

税金と大企業への依存でなく

 総務相に届け出された2019年分の政党や政治団体の政治資金収支報告書が公表されました。19年は統一地方選と参院選があった年です。すべての政党・政治団体の収入総額は前年より1・3%増え、支出は22・2%増加しています。政治資金収支報告書は、政党の姿を映す鏡といわれます。日本共産党は党費や個人献金、「しんぶん赤旗」の事業収入などで財政を賄っています。一方、自民党は企業・団体献金と、税金である政党助成金に依存しています。大企業や税金頼みの自民党に、国民の声に応える政治は期待できません。

政党の姿を映す鏡として

 政治資金収支報告書は、政党や政治家の活動が「国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」(政治資金規正法第1条)に提出されるものです。安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前夜祭の費用を補てんしておきながら、報告書に記載していなかったことが大問題になっています。19年の報告書にも不記載です。補てん資金の出所も不明です。政治資金規正法違反であることは濃厚で、徹底解明が必要です。

 19年参院選では、河井克行元法相夫妻による大規模買収事件がありました。原資に政党助成金が使われた疑いが指摘されています。自民党本部から河井夫妻側に1億5000万円送金されましたが、その実態は隠されたままです。自民党の責任が厳しく問われます。

 収入総額がもっとも多い自民党本部の収入全体でみると、税金で賄われる政党助成金(交付金)は18年より増加し、72・1%を占めます。企業や政治団体からの献金が約1割です。

 政党は主権者・国民が自発的な意思で結成するもので、その活動は党員や支持者の浄財、機関紙などの事業収入で賄われるのが当然です。思想・信条に関わりなく国民に負担を押し付ける憲法違反の政党助成金に7割以上も頼り切るのは、政党本来の姿からかけ離れています。

 自民党は、政党助成金とともに、企業献金をもらい続けています。参政権がなく、営利が目的の企業の献金は、「見返り」を求める政治腐敗の元凶です。企業が直接献金することに国民の批判が高まりました。現在は日本経済団体連合会(経団連)が「政策評価」を出して企業に自民党の政治資金団体である「国民政治協会」への献金を呼びかける形をとっています。事実上の「政策買収」というべき手法です。先月発表された「政策評価2020」も、大企業中心の「成長戦略」や原発再稼働で自民党の政策を高く評価し、献金を促しました。

 14年には、当時の榊原定征経団連会長が「政治との連携強化」を表明し、自民党への献金を強化しました。19年には「国民政治協会」などへの企業・団体献金が30億円近くに上っています。

相次ぐ腐敗の根を断て

 東京都選挙管理委員会公表の報告書では、カジノ企業から賄賂を受け取った秋元司元内閣府副大臣側が逮捕後、都議会自民党にパーティー券代として60万円献金していました。安倍前政権の国策に関わる事件の究明は不可欠です。

 安倍前政権で相次いだ「政治とカネ」をめぐる疑惑追及の手を緩めることはできません。企業・団体献金は全面禁止すべきです。


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