2020年12月2日(水)
学術会議
「国からの切り離し」許さず
参院委 田村氏 担当相を批判
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日本共産党の田村智子議員は1日の参院内閣委員会で、井上信治科学技術担当相が日本学術会議を「国の機関から切り離す」との検討を梶田隆章会長に求めたことを批判し、学術会議への介入は許されないと追及しました。
田村氏は「誰と、どのような協議・検討をして『国の機関から切り離す』という選択肢を示したのか」と追及。井上担当相は、外部の有識者や学術会議の会員・連携会員と意見交換を行い、「いろんな方々からそういう意見が多かった」としつつ、「具体的に誰というのは即答できない」とはぐらかしました。
田村氏は、学術会議が、2003年に政府の総合科学技術会議が出した意見をふまえて改革に努力し、15年には政府の有識者会議が「現在の制度は日本学術会議に期待される機能に照らしてふさわしい」との報告をまとめていると指摘。毎年の外部評価でも「切り離しが必要」との意見はないと述べ、「第三者機関、見識ある有識者が真剣に議論し結論づけたことをふまえているのか」とただしました。
井上担当相は「(報告は)尊重すべきもの」としつつ、「国民に理解される存在としてよりよいものになるよう、未来志向で検討したい」などと答えました。
田村氏は、有識者会議の座長を務めた尾池和夫氏の「学術会議への宿題は、学術会議自身がやること。政府が手を出してはいけない」との発言を紹介。国際学術会議会長が梶田会長にあてた書簡に「(学術に関わる諸決定が)政治的な統制や圧力の対象となってはならない」とあると指摘し、「国際的な見識を重く受け止めるべきだ」と強く求めました。