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2020年12月10日(木)

共産党 コロナ対策強化求め奮闘

PCR拡充へ自治体前進

 新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めようと、各地の自治体がPCR検査拠点の拡充や検査対象の拡大などに乗り出しています。日本共産党は議会質問や自治体への要請でコロナ対策の強化を求めて奮闘しています。


広島県 検査拠点新設 対象拡大

 新型コロナウイルスの感染者数が11月以降増えている広島県では、クラスターの発生も加わり、感染者数が急増しています。

 県では、中四国最大の歓楽街を持つ広島市で、10月12日から12月28日まで毎週月曜の午後4時~8時、飲食店従業員を対象にPCR検査を実施する臨時診療所(中区新天地公園内集会所)を開設していますが、現在の感染拡大急増を受け、より踏み込んだ措置を講じる必要があるとして、12月5日からは毎日午後1時~6時まで診療所を活用して「広島PCRセンター」を新たに設置。クラスターの防止と飲食店対策として「広島市内の高齢者施設」「障害者(児)施設、医療機関の従業員及び関係者」「広島市内の飲食店の従業員及び関係者」へと対象を広げています。これらの対象のうち無症状でも検査をするとしています。

 センターを利用するには、密を避けるため事前に電話予約が必要。受け付けを済ませたら一方通行で進み、依頼書を記入し、検体採取と書かれた一人ずつ仕切られた場所(全6カ所)で唾液によるPCR検査を実施。検査結果は原則、翌日、本人に連絡されます。費用は無料。唾液での検査のため、わずか数分で終わります。

 県では広島西飛行場跡地(西区)で、ドライブスルー方式によるPCRセンターも10日から開設します。

 日本共産党県新型コロナ対策本部(大平よしのぶ本部長)の5回にわたる県への申し入れ、辻恒雄県議の県議会一般質問や委員会での粘り強い質問などの奮闘で、県でのPCR検査が大幅に拡充されることになりました。

北九州市 施設2万9千人対象

 北九州市は、特別養護老人ホームなどの介護施設に入所する高齢者と障害者・児施設の入所者、職員約2万9千人を対象に無料でPCR検査を実施します。対象の入所系施設は約340カ所です。

 9日に閉会した12月議会で事業費1億8千万円の補正予算が決まりました。費用は全額市が負担します。希望者は年度内に3度検査を受けることができます。市は、感染すると重症化するリスクが高い施設でのクラスター(感染者集団)発生や感染拡大の防止へつなげたいとしています。

 同市の8日の新規感染者は最多の47人。うち46人が障害者入所施設でした。

 日本共産党市議団はこの間、北橋健治市長に対し、PCR等検査の抜本的な強化を提起。医療、介護、福祉、保育、教育など集団感染リスクの高い施設職員らへの定期的な検査の実施などを求めてきました。

 石田康高・党市議団長は「一歩前進です。今後は医療従事者や入院患者、学校、学童、保育園、幼稚園など社会的検査をもっと広げることが課題です」と話しています。

北海道函館市 新たな入所者に無料で

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(写真)要請する三国武治党函館地区委員長(右から3人目)と党市議団=10月7日、北海道函館市

 北海道函館市では、コロナ感染拡大防止の一環として、介護施設や高齢者施設に12月から新たに入所(入居)する人にPCR検査(唾液採取)を無料で実施しています。

 道内で感染者が急拡大し、クラスター(感染者集団)が多数発生、感染拡大防止に予断を許さない状況が続く中、同市は、抵抗力が弱く、重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある人が集団で生活している介護施設などでの感染を未然に防止する対策として効果を発揮すると言います。

 検査対象者は、対象施設におおむね2週間以内に入所する人、検査日現在で満65歳以上または基礎疾患を持つ人です。受付期間は来年3月31日まで。人数は1500人で、市は3000万円の予算を組みました。

 日本共産党市議団は医療機関や介護施設から聞き取り、7回の緊急要望を工藤寿樹市長に行い、社会的検査拡充を求めてきました。

 「条件付きですが、入所者全員の検査を実施することになったのは前進です」と市戸ゆたか団長。「検査は施設での実施で人員確保などの体制をどうするか、感染リスクの大きいデイサービス利用者への検査などの課題が残っており、引き続き対策強化を求めます」と話しています。

静岡・三島市 無症状でも何度でも

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(写真)豊岡武士市長に要請する、服部正平(中央)、河野月江(左)の両市議ら=10月19日、静岡県三島市役所

 静岡県三島市では、65歳以上の市民と、福祉施設などに勤務する市民に対し、無症状でも何度でもPCR検査を受けられるよう計画しています。日本共産党市議団(2人)が市民の願いをもとに議会質問や市への要望で訴えていたものです。

 三島市では11月から感染者が増加傾向となり、市が市医師会の協力を得て実施することを決めました。

 対象は、重症化リスクが大きい高齢者、緊急事態宣言下でも休業できなかった施設従業員。自己負担は5千円で、あとは市が負担します。対象となる施設は高齢者施設、障害者施設、介護サービス、幼稚園、保育園。

 検査方法はドライブスルー方式。希望者が市内のPCR検査センターを訪れ、車内で唾液を自ら採取します。検査結果は翌日に電話で知らされます。

 実施期間は来年1月~3月。市は約300件を予定。社会福祉施設などの準備が整えば、12月中から始めることも検討しています。

 共産党の河野月江議員は「日々感染の不安と緊張感の中にあるエッセンシャルワーカーの現場で、検査を求める声は切実です。さっそく実施実現を伝えた地域の高齢者からも、喜ばれています。市には300件を超えたら補正予算を組むように求めていますが、国の全額負担をひきつづき求めていきます」と話しています。


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