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2020年12月13日(日)

敵基地攻撃力 なし崩し保有 強まる

自衛隊の長射程ミサイル 計画次々

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 自衛隊に配備されるミサイルの長射程化が加速しています。政府は18日の閣議決定で、安倍晋三前首相が年内に方向性を出すよう指示した「敵基地攻撃能力」保有について結論を先送りする見通しですが、なし崩し的に違憲の敵基地攻撃能力の保有の動きが強まっています。

 防衛省は9日の自民党国防部会・安全保障調査会で、国産開発中の12式地対艦誘導弾を長射程化し、遠隔地から攻撃できる巡航ミサイル「スタンドオフミサイル」とする方針を説明。開発予算を、従来の27億円から335億円へ大幅に引き上げる考えを示しました。防衛省は沖縄県の宮古島・石垣島の陸自基地に地対艦誘導弾を配備する計画を示していますが、12式は艦船や戦闘機への搭載も可能としています。

 防衛省はすでに、2018年12月に決定された防衛大綱・中期防衛力整備計画に基づき、射程500~900キロの「スタンドオフミサイル」導入に着手(表)。このうち、F35Aステルス戦闘機に搭載されるJSMは21年度中に取得する予定です。

 さらに、(1)島嶼(とうしょ)防衛用新対艦誘導弾(2)島嶼防衛用高速滑空弾(3)極超音速誘導弾―といった次世代の長射程ミサイル開発に着手。これらは、さらなる長射程化が狙われています。

 政府は敵基地攻撃について、「法理上は可能」としつつ「平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っていることは憲法の趣旨とするところではない」(1959年3月19日、衆院内閣委、伊能繁次郎防衛庁長官)との見解を維持しています。

 来年の総選挙への影響回避という党略的な狙いから、「敵基地攻撃能力」の保有に関する結論をあいまいにしながら、実態として敵基地攻撃につながる兵器を導入し、専守防衛を掘り崩す―。菅政権のこうした姑息(こそく)な手段は許されません。


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