2020年12月21日(月)
安倍氏招致 予算委で喚問こそ
野党「国民が見られる形に」
「桜を見る会」前夜祭(安倍晋三前首相の後援会主催)の参加費を安倍氏側が補てんしていたとされる疑惑。安倍氏には国会できちんと説明することが求められています。同氏の国会招致をめぐり、どのような形で聴取を行うかが、いま問題になっています。
自民党は年内にも安倍氏が国会で説明する場を設けることで検討。安倍氏自身も18日、記者団に対し、東京地検特捜部の捜査の結果が出次第、「誠意をもってお答えする」「国会に対しても誠実に対応していきたい」と語りました。
今週にも安倍氏の秘書に対する起訴があるのではとの観測が強まるなか、自民党は、原則非公開で議事録も残さない衆院議院運営委員会理事会での説明を主張していると報道されています。
こうした自民党の主張に対し、日本共産党の田村智子政策委員長は、「非公開で議事録にも残らない場で説明して終わりはありえない」と厳しく批判。「安倍前首相が最もウソをつき続けたのは衆参の予算委員会だ。予算委員会に出てきて、野党の一問一答の質問に答えることが求められる。ウソをつけば偽証罪に問われる証人喚問が一番ふさわしい国会での説明の在り方ではないか」(18日の記者会見)と述べました。
立憲民主党など他の野党も「国民が見られる形にしないと意味がない」などとし予算委員会での質問を主張しています。
そもそも「桜を見る会」疑惑で問われているのは、国権の最高機関である国会で、首相であった安倍氏が虚偽答弁をくり返し、国会と国民を愚弄(ぐろう)してきた重大な政治責任です。国会の行政監督、国政調査権の存在意義が根底から問われる問題です。
安倍氏は、前夜祭が自身の後援会主催であるにもかかわらず“参加者一人ひとりと前夜祭の会場となったホテルが個別の契約をした”などと荒唐無稽な主張のうえ、「後援会には収支は一切ない」と虚偽答弁を繰り広げてきました。
衆院調査局の調査では、安倍氏が2019年の臨時国会と20年の通常国会で「差額は補てんしていない」「事務所は関与していない」などという趣旨の答弁をした本会議や委員会は33に上ります。そのうち予算委員会は20です。「答弁数」でいえば数え切れないほどのウソを積み上げてきたことになります。
同疑惑についての安倍氏の国会での説明の動きには、菅政権と自民党のよこしまな思惑も透けて見えます。
捜査とともに国会での「説明」を年内に決着し、「年明けには『リセット』として通常国会では議論にフタ」という狙いです。
「桜を見る会」をめぐっては前夜祭問題に加え(1)公的行事を後援会員や個人的つながりのある人の接待に私物化したのではないか(2)疑惑を隠すため資料を隠ぺい廃棄してきたのではないか(3)巨額詐欺商法で逮捕されたジャパンライフの社長はじめ反社会的勢力とのつながりなど、安倍前首相をめぐる前代未聞の大問題が山積みです。予算委員会での徹底解明を求めることは当然です。