2020年12月24日(木)
学術会議法の解釈 18年の文書で転換
ポリタスTV 田村政策委員長が語る
日本共産党の田村智子政策委員長は22日夜、インターネット番組「ポリタスTV」に出演し、菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人を任命拒否した問題について、ジャーナリストの津田大介氏と議論しました。
冒頭、田村氏の17日の参院内閣委員会での質疑が紹介されました。田村氏は、政府が従来の法解釈を覆して「学術会議の推薦の通りに任命しなければならないわけではない」とした2018年の文書が内閣府と法制局の協議で作りあげられた経過を、内閣府提出の資料で明らかにしました。
番組で田村氏は質疑を解説し、“任命拒否できる”という法解釈が「『一貫した考え』ではないと示す資料が出てきたことを知らしめる必要があるとの思いで質問した」と述べました。2018年の補欠人事では官邸側の介入で推薦が見送りになったことも指摘。介入したい官邸側と学術会議側の緊張関係が高まるなかで「人事介入を是とするための作文がやられたことが今回分かった」と強調し、介入したのが杉田和博官房副長官であることを学術会議事務局長が認めたことも紹介しました。
田村氏は、18年文書作成にあたり内閣府と法制局が「任命拒否が許容されるのか否か」と何度も協議し書き直した経過も分かったと指摘。作成過程で何度も出てくる「学問の自由」の文言は最終的に本文からは削られ、“任命拒否できる”という「結論ありき」で作成されたことも推定できると述べました。
津田氏は、安倍政権下で内閣法制局長官の首をすげかえて集団的自衛権行使の法解釈が覆されたことに触れ、「全部つながっている」と発言。「法治主義や民主主義のプロセスが前政権から現政権に至るまでいろんな形で破壊されてしまった問題」と述べました。また、自民党は学術会議のあり方の問題にすりかえて逃げ切ろうとしていると述べ、今後どう追及していくかと質問しました。
田村氏は「新しい資料が出てきたところであり、ここから人事介入に対する追及が始まる」と発言。「学問の自由、言論の自由に対する弾圧の側に自民党が立っての介入だと明らかになっている。こんな自民党が支える政権でいいのかということも含めて問いかける運動にしていきたい」と語りました。