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2020年12月28日(月)

米経済対策法案

大統領署名拒み国民生活に影響

失業者の特別給付 1400万人期限切れ

 【ワシントン=遠藤誠二】米連邦議会で通過した新型コロナウイルスの感染拡大にともなう包括的な経済対策法案をトランプ大統領が署名拒否を示唆していることで、国民生活に深刻な影響を及ぼしています。26日には、失業手当の特別給付が期限切れを迎えました。


 21日に議会で可決された経済対策法案は総額9000億ドル(約93兆円)規模。国民1人当たり給付金600ドルを支給。週300ドルの失業特別給付を行います。

 また、中小規模業者への給与補償、学校への支援、家賃補助、低所得家庭への食事支援など困窮する国民にとって必須な内容で、新型コロナワクチンの無料接種にむけた購入・配給支援も含まれます。

 当初、トランプ大統領は同法案に署名するとみられていましたが、国民向けの600ドルの給付金を「2000ドル」に引き上げるよう主張し、クリスマス休暇でフロリダ州の別荘にこもり、現在まで署名していません。26日に期限を迎えた失業手当特別給付の対象者は1400万人にもおよびます。

 経済対策法案は、2021会計年度(2020年10月~21年9月)予算案と一体になっており、大統領が署名を拒否したままだと、29日に連邦政府機関の一部が閉鎖に追い込まれます。

 今後、トランプ大統領が同法案に拒否権を発動した場合でも、議会の3分の2以上の賛成で再可決すれば、拒否権を覆すことができます。しかし、今議会会期の1月3日までに態度を保留すれば、廃案となる可能性があります。

 民主党進歩派のサンダース上院議員は、「数百万の国民は失業保険を失い、飢え、住居を失う。いままでに見たことのない政府による残虐行為となる」と訴え、「給付金を2000ドルまでに引き上げたうえで、トランプ大統領は法案に署名すべきだ」と主張しています。


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