2021年1月14日(木)
子育て困窮世帯増
NPO会見 就労支援求める
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コロナ禍で失業や収入減少に苦しむ子育て困窮世帯が増えています。子育て困窮世帯への支援をするNPO法人「キッズドア」が年末年始に行ったアンケート調査では、12%が「無職または休職中なので就職したい」と回答。調査の結果を受け同団体は13日、厚生労働省内で会見し、他の支援とともに子育て世帯への就労支援策を求めました。
調査は昨年12月29日~1月5日に実施。同団体へ支援を希望した高校生までの子を持つ保護者1435人が対象で、649人が回答しました。
「現在の就労状況について」は「スキルを身に付けて就職や転職したい」が31%(198人)、「無職または休職中」が12%(75人)でした。
「今後もっとも必要な支援」では「食料や物品などを送ってほしい」が39%(252人)と最多でした。
同団体の渡辺由美子理事長は会見で、「昨年末で『仕事がなくなる』『契約が終わる』といった人が非常に多い」と発言。新型コロナウイルス感染症の再拡大で「いよいよ仕事がなくなる人が増えるのでは」と話しました。
生活をつないできた失業給付や各種給付が切れる時期にきており、困窮がいっそう進むと懸念。「仕事を失った保護者は『仕事がほしい』と思っているが、一日一日をどう乗り越えるかに精いっぱいで就職活動や技能の習得、就労の準備をする余裕がない」として、無料で参加できる就労トレーニングなどの支援の強化や雇用創出などを政府に求めました。
キッズドアの調査に寄せられた声
●失業保険の給付も終わり、ますます困窮。子どもの服や靴にも困っている。食事も親は1日1回に慣れ、子どものおかずも日に日に減っていく。
●コロナの影響で今の仕事は年明けも先行きが厳しい。無職になったら3人の子どもをどうしたらいいのか想像もつかない。子どもは受験を控えている。
●コロナで仕事が減っている。いくつかの職場に応募したが、なかなか採用してもらえない。
●国の就労支援は敷居が高くて、面接まで進んだが該当ではないといわれ受講できなかった。
●日中、学校へ通う必要を伴う資格取得を目指す場合、その期間収入がゼロになるため家賃が支払えない。
●訓練中の生活費が捻出できないため訓練を受けられない。