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2021年1月21日(木)

きょうの潮流

 原爆投下によるヒロシマ、ナガサキの惨事から76年。「核なき世界」にむけ潮目が変わる記念すべき瞬間が訪れます▼「核兵器は非人道的で違法だ。持つことも使うことも国際的には許されない」という正式な条約が発効します。「ノーモア・ヒバクシャ」と長年訴えつづけた被爆者、国連や非保有国政府と市民社会の共同の力です▼「被爆者から原爆のことをいろいろ教えてもらい勉強して『つるにのって』などの反核アニメを製作してきた」と話すのは、映像作家の有原誠治さん。発効を前に「核兵器禁止条約が×にしたこと」との表題で、開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用、使用するとの威嚇の禁止という7項目のイラストパネルを作成。日本政府に条約参加を求める新しい署名運動で評判です▼条約は核保有国の「使うと威嚇する」核抑止力や、日本など同盟国の核の傘を違法なものにしました。さらに、核抑止は、新型コロナの世界的感染拡大という人類の安全保障上の重大危機に何も役だたないことを鮮明にしました▼むしろ、核・軍備にかける資金や資源は巨大な浪費です。医療や感染対策、貧困層の救済にこそ使われるべきです▼ネット上ではコロナ禍で集まることは避けて一人で、家族で、鐘や鈴を鳴らして発効を祝おうと呼びかける世界的キャンペーンが拡散中です。発効で終わりではなく、「核廃絶と平和で公正な世界」実現へ、世界が共同するたたかいの始まり。唯一の戦争被爆国に暮らす私たちの運動の責務は重大です。


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