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2021年2月2日(火)

主張

「深夜飲食」議員

自公に根本的反省はあるのか

 緊急事態宣言下の東京・銀座のクラブでの深夜飲食や、政治資金からのキャバクラ飲食費支出が発覚した公明党の遠山清彦衆院議員が議員辞職に追い込まれました。一方、自民党の田野瀬太道文部科学副大臣と大塚高司国対副委員長が、夜の飲食で国対委員長代理を辞めた松本純衆院議員と銀座のクラブで同席したことが新たに判明しました。まさに底なしです。松本、田野瀬、大塚の3衆院議員は自民党を離党しましたが、それで済む問題ではありません。危機感も緊張感も欠いた政権にコロナ対策はとても任せられません。罰則を振りかざすなど論外です。

危機感も緊張感も欠如

 遠山氏は、政府が外出自粛と夜8時以降の飲食店の営業時間短縮要請をしていた1月22日深夜に銀座のクラブを訪ね、知人と飲食していました。問題が週刊誌で報じられた26日に同氏は事実を認め謝罪し、28日に山口那津男公明党代表もおわびしました。しかし幹事長代理は続投させました。29日にキャバクラ問題が浮上すると遠山氏は自身の資金管理団体からスナックやキャバクラへの不適切支出を認め、ようやく幹事長代理を辞任します。それでは世論はおさまらず、ついに議員辞職に至りました。党の有力幹部が自制のない行動をしたというのに、それに直ちに毅然(きぜん)と対処できなかった公明党の姿勢も問われています。

 自民党の松本議員が銀座のクラブなど3軒の飲食店を深夜まではしごしたのは、通常国会召集日の1月18日でした。26日に週刊誌で報じられてからも自民党の対応は鈍く、同氏の国対委員長代理の辞表を受理したのは29日でした。

 許し難いことに松本議員は事実を偽っていました。銀座のクラブで会食した議員は自分1人だと説明していたのに、1日になって田野瀬議員と大塚議員も同席していたことが分かりました。隠ぺい姿勢は極めて悪質です。自民党を離党したからといって終わりにできる話ではありません。緊急事態宣言のさなかに、夜の飲食をやめない議員が後を絶たなかった菅政権の体質自体が大問題です。

 昨年末、政府は感染防止のためとして4人以下の会食を国民に呼びかけたのに、菅首相と二階俊博幹事長が銀座のステーキ店で5人以上の会食をしたことに、厳しい批判が寄せられました。首相は「深く反省」と表明しましたが、国民からの信頼は取り戻せていません。

 その後も自民党や公明党の幹部が「夜の銀座」での飲食をやめなかったことは重大です。政権と与党に、コロナ感染拡大についての危機感も、それを真剣に打開しようという責任感も欠落していたことは明らかです。コロナ禍での国民の痛みや苦しみを理解できない姿勢は、政権を担当する資格そのものを疑わせます。

けじめつけぬ自民に怒り

 一昨年の参院選の大規模買収事件で有罪判決を言い渡された河井案里参院議員や、買収罪で逮捕・起訴された夫の河井克行元法相(衆院議員)も自民党を離党しただけで議員辞職していません。カジノ汚職で公判中の秋元司元内閣府副大臣(衆院議員)も離党で済ませています。離党で議員を続けさせるのは自民党の常とう手段なのか。問題を起こした議員にけじめをつけさせない自民党に国民の不信はますます募ります。


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