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2021年2月24日(水)

この勝訴を全国の力に

生活保護減額違法 大阪で報告集会

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(写真)「これからも頑張ろう」とこぶしを突き上げる原告、弁護団と支援者ら=22日、大阪市内

 「みなさん、勝ちました」と弁護団副団長の小久保哲郎弁護士がこぶしを突き上げ、判決後の報告会場は大きな拍手と歓声に包まれました。22日、大阪地裁が「生活保護の引き下げは違法」だと認めた歴史的な勝訴判決。小久保氏は「本当に長いたたかいでしたけど、裁判所は生きていたと思えた。本当にうれしい判決」と語りました。

 「涙が止まらない思いです」と話すのは原告の女性(77)。生活が苦しく、何よりつらいのはお世話になった人たちと交流できなくなったこと。父のように慕っていた人の葬式にも香典が包めず参列できませんでした。保護利用者の実態を伝えたいと原告になり意見陳述にも立ちました。「弁護士の先生、支援者の方々、原告の仲間が大きな力になりました。この勝訴が全国的な大きな力になれるんじゃないかと、本当に誇りに思います。たたかいは続くと思いますが、今後ともよろしくお願いします」と話しました。

 「引き下げアカン大阪の会」代表の木下秀雄龍谷大学教授は、コロナの中で厚生労働省がWEBサイトで「生活保護の申請は国民の権利です」と呼びかけたことに触れ、「私たちや、私たちの先輩が一生かけて言ってきたこと。全然話を聞かなかった厚労省が変わってきている。訴訟をずっと頑張ってきた、支えてきたみなさんの声がいろいろな形で反映してきている。これはたたかいの始まりだと思います」と話しました。

 集会の最後に、「これからも頑張ろう」と参加者全員でこぶしを突き上げました。

国は控訴するな 原告団など声明

 「生活保護の引き下げは違法」と認めた大阪地裁の判決を受け、大阪の違憲訴訟の原告団と弁護団、全国の支援者団体は22日、判決後の集会で「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を具体的に保障する歴史的な勝訴判決」と歓迎する声明を発表しました。

 声明では、判決が「原告らの置かれた厳しい生活実態を真摯(しんし)に受け止め、国が行った生活保護基準引下げを問題とし、裁量逸脱を認めた」と評価。新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期拡大化し、生活保護の重要性が再認識される中、大きな意義があるとしています。

 国に対し、控訴せず本判決を確定させ、2013年引き下げ前の生活保護基準に直ちに戻すことを求めています。


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