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2021年3月24日(水)

対中制裁 欧米が連携

ウイグル人権侵害 EU、天安門以来

 中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害をめぐり、欧米諸国は22日、中国当局者に対する制裁を発表しました。同自治区の中国共産党の幹部や関連組織の幹部らが対象。渡航禁止や資産凍結などが科せられます。

 欧州連合(EU)は同日の外相理事会で決定。EUが中国当局者の責任を問う制裁を実施するのは、前身の欧州共同体(EC)が1989年の天安門事件を受けて武器輸出禁止措置を取って以来です。

 EUは発表で、対象者がウイグル族やイスラム系少数民族に対する「恣意(しい)的な拘束や屈辱的な扱い、宗教や信条の自由に対する組織的な侵害」を行ったと非難しました。

 米政府も同日、英国・カナダと連携して制裁を発表しました。米政府はトランプ前政権時から新疆ウイグル自治区の問題をめぐって対中制裁を科してきましたが、米欧が連携するのは初めてです。

 米英カナダの3国外相による共同声明は、同自治区での中国政府による少数派に対する人権侵害について、中国政府自身の文書や衛星写真、証言などから「圧倒的な証拠がある」と指摘。国連などによる独立した調査を認めるよう中国政府に要求しました。

 ブリンケン米国務長官はEUの対中制裁決定について「大西洋を越えた米欧の結束対応は強いメッセージを送る」と称賛。世界中の同盟国・パートナー国ともこの問題でさらに連携を強める姿勢を示しました。

 (ベルリン=桑野白馬、ワシントン=池田晋)


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