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2021年4月9日(金)

変異株が猛威 事態は深刻 コロナ封じ込めへ、政府は責任果たせ

志位委員長が提起

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(写真)記者会見する志位和夫委員長=8日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は8日、国会内で記者会見し、東京都への新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」適用をめぐり、「東京都での緊急事態宣言の解除後、わずか19日間で新しい規制措置を取らざるを得なくなったのは、政府がやるべきことをやってこなかった結果だ」と批判し、こんな姿勢のままでは変異株が猛威をふるう下で深刻な事態に陥りかねないと警告しました。「いま政府がやるべきこと」として、(1)大規模検査を実行(2)十分な補償(3)医療機関への減収補填(ほてん)と体制整備(4)五輪中止の決断―を提起。政府にその責任を果たすことを強く求めました。

 提起の第一は、コロナ封じ込めのための大規模検査を本気で実行することです。志位氏は、感染源を探知するためのモニタリング検査について、「内閣官房によれば、直近1週間で検査キットを配布した合計数は全国で5452件、1日当たり779件だ。『1日1万件』との政府目標からみても2桁、わが党の提起(1日10万件)からは3桁足らない。これでは到底、変異株の流行スピードに追いつけない」と批判。変異株の検査についても「全数検査の体制を一刻も早くつくらなければならない」と強調しました。

 陽性になって生活や営業に支障が出る不安から検査をちゅうちょする実態があり、人員不足に陥る懸念から社会的検査に協力できない高齢者施設もあるとし、「生活保障、営業保障、人員保障を行い、安心して検査が受けられる環境をつくることも必要だ」と述べました。

 第二は、十分な補償です。志位氏は、営業時間短縮を要請されている飲食店への規模に応じた補償、持続化給付金の再支給、雇用調整助成金のコロナ特例の延長、生活困窮者への一律の給付金の支給などを求めました。

 第三は、医療機関への減収補填と体制整備です。志位氏は「経営的に医療機関が疲弊している状況を放置しては、危機に対応できない」と強調。すべての医療機関を対象に減収補填を行うとともに、「病床確保のために、財政的な手だて、病院間の連携の手だてなど、あらゆる手だてを国の責任で取ることが急務だ」と述べました。

 第四は、東京五輪・パラリンピック中止の決断です。志位氏は「聖火リレーすらできなくなっている。この期に及んで、思考停止で開催に暴走するのは許されない。直ちに中止を決断し、すべての力をコロナ収束に集中させるべきだ」と強調しました。

国民の命をギャンブルにさらすな――五輪中止の決断を

 志位氏は、五輪の開催を中止すべき理由について問われ、1月の衆院代表質問で(1)ワクチン接種が間に合わない(2)フェアな大会になる保障がない(3)多数の医療従事者を五輪に集めるのは現実性がない―と指摘したと述べ、それぞれの問題点がいよいよ深刻になっていると強調。「現状では日本の感染が深刻な上に、世界を見てもインド、ブラジルなどで非常に深刻な感染状況だ。変異株も世界各地で生まれている」として、「五輪を開催して、結果として安全・安心な大会になればいいが、そんなことはだれも保障ができない」と指摘。「最悪の場合は国内外での感染爆発の契機になり得る。まさに悪夢です」と主張しました。

 志位氏は「五輪はアスリートとチーム関係者だけで1万数千人も集まる。そうした規模での大会は(コロナ・パンデミックの中で)世界のどこでもやられていない。まさにギャンブルになる。国民の命をギャンブルにさらすようなことはやめるべきだ」と主張。「開催国である日本の政府が自らの責任で中止を決断し、各方面と調整して直ちに対応すべきだ。もうタイムリミットだ」と強調しました。

 また志位氏は、大手メディアから反対の声が起こっていないことを問われて、「メディアも、思考停止でなく、少なくとも(中止か、開催か)両論併記で開催の是非について真剣に伝えるべきだ」と語りました。


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