2021年4月26日(月)
小型人工衛星網の導入 井上氏
敵基地攻撃能力保有に
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日本共産党の井上哲士議員は20日の参院外交防衛委員会で、従来の「ミサイル防衛」網では探知・追尾が難しい新型ミサイルに対処する小型人工衛星網の導入を日米連携で狙っていることに関し、敵基地攻撃能力の保有につながると批判し、中止を求めました。
防衛省は、低空を超高速・変則的な軌道で飛ぶ極超音速滑空体(HGV)に対処する「衛星コンステレーション」の「概念検討」として2021年度予算に1・7億円を計上しました。
米国は19年の「ミサイル防衛見直し」で宇宙配備衛星の重要性を打ち出し、小型衛星1000基以上を投入する「国家防衛宇宙アーキテクチャー」を進めており、防衛省は「米国との連携を踏まえながら検討」するとしています。
井上氏は、ロシアや中国がHGVの開発を加速させたのは、米国の弾道ミサイル防衛網を突破するためだと指摘。日本も「ミサイル防衛」に2・5兆円超を投じており、「他国の対抗策を招き、軍拡の悪循環をもたらした」と批判しました。
さらに井上氏は、小型衛星網は陸上部隊や艦船など攻撃目標の捕捉もできると指摘されていると強調。政府は長距離巡航ミサイルなどの保有を進めており、「小型衛星網という『攻撃の目』を持てば、なし崩し的に敵基地攻撃能力に踏み出すことになる」と批判し、中止を求めました。
岸信夫防衛相は「現時点で米国の計画への協力を決定していない」と述べるにとどめました。