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2021年5月1日(土)

土地利用規制法案「まるで戦争前夜」

普天間基地ある宜野湾市民

丸ごと監視対象に

 安全保障上重要な施設周辺の土地所有者らを監視し、罰則付きで土地利用を規制する「土地利用規制法案」が、連休明けの国会で審議入りする見通しです。沖縄県の米軍普天間基地周辺が区域指定された場合、同基地を抱える宜野湾市の住民は丸ごと監視対象にされかねません。


図

 同法案は、米軍や自衛隊基地、原子力発電所などの周囲約1キロと国境離島を「注視区域」に指定し、政府に土地・建物の所有者らの個人情報と利用状況を調査する権限を与えます。調査は氏名、住所、国籍にとどまらず、思想信条や所属団体、家族・交友関係、海外渡航歴などに及ぶ可能性があります。

ど真ん中に基地

 普天間基地は宜野湾市のど真ん中にあるため、基地の周囲1キロは市のほぼ全域に及び(図)、同市の人口約10万人が調査対象となります。施設等の「機能を阻害する行為」やそのおそれがあれば利用中止を命令し、応じなければ懲役や罰金を科します。基地反対運動の抑え込みにつながる危険があります。

 同市新城の女性(79)は「隣近所であることないことがうわさになり、疑心暗鬼に陥ってしまう。市民ががんじがらめにされる」と、市民の相互監視につながることを懸念します。「基地に反対するのは、戦争体験者の話を聞き、二度と戦争をしてはいけないという純粋な気持ちから。監視などせず、基地をなくせば済むことだ」と憤ります。

二重三重に不当

 もともと普天間基地は、沖縄戦で上陸した米軍が住民を強制収容している間に、民有地や公有地を一方的に奪って造ったものです。宜野湾で日本共産党市議を6期24年務めた同市宜野湾の知念吉男さんは「国際法に反して造った基地は無条件撤去が当たり前なのに、返還合意から25年も危険を放置して騒音被害を与え続けながら市民を監視するとは二重三重に不当だ。こんなに市民を侮辱するものはない。まるで戦争前夜のようだ」と話します。


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