2021年5月13日(木)

６島　ミサイル要塞化

衆院委・穀田氏「米計画撤回せよ」

（写真）質問する穀田恵二議員＝12日、衆院外務委

　日本共産党の穀田恵二議員は１２日の衆院外務委員会で、米軍が中国との軍事衝突を念頭に作成した資料を示し、南西諸島などを結ぶ「第１列島線」上の日本の６島をミサイル配備拠点とする構想を明らかにし、計画の撤回を強く求めました。

　穀田氏が示したのは、２０１９年２月に米国海軍協会の月刊誌に掲載された「島しょ要塞（ようさい）」と題する資料。ミサイル配備拠点を記した地図には、第１列島線上の計１２カ所の候補地のうち対馬（長崎県）、馬毛島（鹿児島県）、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島（沖縄県）の６カ所があげられています。

　穀田氏は、米海兵隊が１９年２月に「遠征前進基地作戦（ＥＡＢＯ）」として、分散された小規模部隊で離島を制圧し、ミサイルや航空機の基地を構築して敵の海洋進出を阻止するという作戦構想を正式に打ち出したと指摘。候補地６島をＥＡＢＯで軍事要塞化するのかと追及しました。

ミサイル配備候補地を示した、米海軍協会の月刊誌（2019年２月）に掲載された地図

　中山泰秀防衛副大臣は、ＥＡＢＯは「列島線が生み出す自然の障壁を活用」しながら、部隊を「危機前の状況から展開する」ものだと答弁。「島しょ要塞」構想は「軍事戦略上、地政学をベースに考えられたものと思う」と答えました。

　穀田氏は、６島の候補地には米軍の対艦ミサイル「ＮＳＭ」などとともに陸自の１２式地対艦誘導弾の配備が想定されていると指摘。「米中対立が激化した場合、軍事要塞にされた島々が真っ先に標的になる。日米一体で日本の島々を戦場にすることを前提にした計画は容認できない」と批判しました。