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2021年5月22日(土)

土地利用法案 実質審議入り まるで戦前の弾圧法

「住民の不安」立法根拠なし 赤嶺議員が追及

衆院内閣委

 基地周辺や国境離島の住民を監視する土地利用規制法案が21日の衆院内閣委員会で実質審議入りしました。与党は今国会中の成立を狙っています。同法案は、基地などの「機能阻害」のおそれがあれば土地の利用中止を命じ、応じなければ刑事罰を科すというもの。日本共産党の赤嶺政賢議員が追及しました。(論戦ハイライト)


写真

(写真)質問する赤嶺政賢議員=21日、衆院内閣委

 赤嶺氏は、戦前、要塞(ようさい)地帯法や治安維持法、軍機保護法などが制定され、基地などを撮影・模写しただけで逮捕されたと指摘。一連の治安立法は戦後、廃止されたにもかかわらず、「当時を彷彿(ほうふつ)とさせる法案の提出に憤りを感じる」と批判しました。

 赤嶺氏は、こうした治安立法で国民が弾圧され、戦争へと駆り立てられた歴史への反省・教訓は議論したのかと追及。木村聡内閣審議官は「土地利用に関する有識者会議では特段議論していない」と述べ、戦前の教訓は踏まえていないことを認めました。

 政府は法案提出の根拠として、外国資本による北海道千歳市や長崎県対馬市の自衛隊基地周辺の土地購入に対する自治体・住民の「不安」をあげています。

 赤嶺氏は、全国約1800の自治体のうち意見書提出は16件にとどまり、千歳市と対馬市から意見書は提出されていないと指摘。政府もこの事実を認めました。

 赤嶺氏は、千歳基地周辺で土地が購入されたとされる北海道苫小牧市を含め、3市議会で同問題が議論されたのはそれぞれ数回程度だとして、「『住民の不安』に根拠がない」と強調しました。さらに、苫小牧市での土地購入は、市が統合型リゾート(IR)構想を進める下で行われ、購入された土地もIR施設の予定地に隣接していると指摘。「安全保障ではなく、IRとの関連を考えるのが常識的だ」とただしました。

 木村審議官は、千歳市議会の一部議員のやりとりの例をあげるだけで根拠を示しませんでした。赤嶺氏は「議員の質問は、そのまま安全保障上の危機にはつながらない。うわさや思いこみのレベルで法案を提出した」と批判しました。


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