2021年6月5日(土)
総務省 接待78件32人処分
検証委 外資規制違反認識を判断
総務省幹部らが放送関連会社「東北新社」やNTTから接待を受けていた問題で4日、同省は32人、のべ78件の接待を受けていたことを新たに公表しました。また接待が行政に与えた影響を調べる第三者検証委員会(吉野弦太座長)が中間報告を出し、同省が東北新社の外資規制違反を認識していた可能性が高く、行政がゆがめられたという指摘は免れないと結論付けました。
武田良太総務相は同日の会見で、接待を受けた職員について減給や戒告などの処分に留めたことを発表。外資規制違反問題については、「担当者はみな否定している」として処分しないとしました。
総務省によるとNTT、東北新社以外にも複数社から接待を受けていました。一人当たりの接待額は約6千円~約6万円。最高額の約6万円は、東北新社から接待を受けた当時の衛星・地域放送課長で、飲食と土産以外に野球チケットを受け取っていました。
これまで東北新社はこの課長に外資規制違反の報告をしたとしてきましたが、総務省側は「記憶にない」などと否定してきました。検証委は、この課長が東北新社から外資規制違反について説明をうけ、課内で「問題共有が行われた可能性が高い」と認定。放送法で定める認定取り消しをしないなど「行政をゆがめたとの指摘は免れない」としました。
他方、接待で行政がゆがめられた疑いについて検証委は「認めるに足りる事情は確認できなかった」と判断。東北新社に勤める菅義偉首相の長男が接待に参加していたことの影響について、検証委の吉野座長は会見で「特定の人物に狙いを定める形で調査をやっていない」と調査対象にすらしていないことを明らかにしました。
真相の徹底解明と関係者国会招致を 小池書記局長
日本共産党の小池晃書記局長は検証結果報告書について、「まさに行政がゆがめられたことを示すものであって、極めて重大だ」と指摘し、「真相の徹底解明が必要であり、関係者の国会招致をあらためて求めたい」と述べました。(小池氏のコメント)