2021年6月8日(火)
学校での自由って何?
学生、教員ら 校則・頭髪など議論
学校での自由について考えるシンポジウムが6日、オンラインで開かれ、大学生、高校教員、校長らが、校則や制服、頭髪指導などを議論しました。若者の声を政策に反映させようと活動する「日本若者協議会」が主催しました。
東京都立北園高校に在校時、頭髪指導の問題などを題材にドキュメンタリー映画「北園現代史」を製作した大学生が、製作の経緯を説明。自由な校風で知られた同校で自由が脅かされているのではないかと感じたことがきっかけでした。ネットでの再生が3万4000回になるなど反響を呼び、生徒が自由について真剣に考えるようになったと語り、「学校における『自由』について議論を深める必要がある」と訴えました。
教育ジャーナリストの小林哲夫さんは、制服自由化が広がった都立高校で2000年代から制服復活の動きがあることをのべました。
私立自由の森学園高校(埼玉県)の菅間正道校長は、競争原理を超え人間の自由をめざすという同校の建学の理念を紹介。都立高校などで自由が奪われている背景に競争原理と管理主義による教育があり、教員の民主的議論が保障されなくなっていると指摘しました。
岐阜県の高校教員は、衛生上の問題から服装を自由化したが「生徒はリラックスできる服を着てきている。何の問題もない」と強調。これを受けて名古屋大学大学院の内田良准教授が「普通の服を着ている子が、校則があるため悪者にされる」とし、子どもを信じる大切さを語りました。
北園高校の現役生徒も発言。この問題は「個人の尊厳と権利にかかわること」と話しました。