2021年6月9日(水)
建設石綿 給付金法案を可決
倉林氏「国は企業参加求めよ」
参院厚労委 全会一致で
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建設アスベスト(石綿)被害救済のための補償基金を創設する建設石綿給付金法案が8日の参院厚生労働委員会で、全会一致で可決されました。
日本共産党の倉林明子議員は同日の質疑で、最高裁判決で国と共に断罪された建材メーカーの責任をどう果たさせるかが課題だと指摘。基金制度の創設を求めてきた原告団に対し、主要11社はかつて、国から制度提案があった場合、前向きに検討すると表明していたとして、「国は11社に基金への参加を正式に求めるべきだ」と迫りました。
田村憲久厚生労働相は「与党の検討を受けて対応する」と述べるだけでした。
倉林氏は、メーカーに賠償責任を果たさせるには、引き続き司法で争わないといけないとして「和解のテーブルに着くよう政府として働きかけ、全面救済につなげるべきだ」と重ねて求めました。
給付認定をめぐっては、最高裁判決で対象外とされた屋外工について、職種ではなく作業実態を踏まえるとの政府答弁を示し、柔軟な対応を要請。厚労省の吉永和生労働基準局長は「職種ではなく作業の内容で考える」と答えました。
基金は、最高裁判決を踏まえ、国が資金の2分の1を拠出し、裁判を起こしていない被害者も補償・救済するもの。建設業に従事し、中皮腫や肺がんなどアスベストによる健康被害を受けた労働者や一人親方、遺族などを対象に、疾病や症状に応じて550万~1300万円を給付します。