2021年6月17日(木)
主張
通常国会の閉会
菅政権終わらせ新しい政治を
1月に召集された通常国会が閉会しました。コロナ対応をはじめ国会で議論すべき重要課題は積み残されたままです。とりわけコロナ禍での東京五輪の開催は、国民の命と健康、安全に直結する国政上の大問題です。ところが菅義偉政権は野党からの会期延長要求を拒み、国会を閉じました。許しがたい責任放棄です。国会が行政監視機能を果たすために閉会中審査などは不可欠です。コロナ対応の無為無策に反省もなく五輪に固執する政治を続けさせるわけにはいきません。新しい政権の実現に向けて市民と野党がさらに力を合わせることが必要となっています。
失政に反省なく五輪固執
通常国会は2度目の緊急事態宣言が発令されているさなかの1月18日に開会しました。菅首相は施政方針演説で「安心」を強調しました。しかし、感染拡大はとまらず、各地で医療がひっ迫し危機的事態を招きました。緊急事態宣言の延長や拡大が繰り返されたのは、やるべき対策を怠った菅政権の失政に他なりません。
科学にもとづく「封じ込め」戦略の欠如によるPCR検査やワクチンの立ち遅れは深刻です。「Go To事業」続行にこだわったことが感染拡大「第3波」を招いたにもかかわらず、失敗を反省せず、次の対策に生かそうともしませんでした。誤りを謙虚に認めることもなく、国民に努力ばかり求めても信頼にはつながりません。
たび重なる休業・時短要請で苦境に立つ中小業者への持続化給付金や家賃支援給付金も1回で打ち切りました。コロナ対策に「自己責任」論を持ち込んだことは到底許されません。冷酷さは医療機関への減収補填(ほてん)にいまだに応じないことにも示されています。
国民に長期にわたり我慢と苦難を強いながら、感染リスクを拡大する五輪開催を強行する姿勢を変えようとしないことは重大です。
日本共産党は1月の志位和夫委員長の代表質問で、今夏の東京五輪の中止を迫ったのをはじめ、国会審議で五輪より国民の命を優先せよと求めてきました。世論も五輪中止が圧倒的多数となっています。各地でパブリックビューイングや子どもの五輪観戦のとりやめが相次いでいるように矛盾は広がっています。五輪期間中は「テレワーク実施を」と呼びかける政府に怒りが集中しています。
何が何でも五輪開催のため、一層の自粛と我慢を求めるやり方に国民の理解は得られません。首相は国民の命を危険にさらしてまで五輪を開催する理由を問われても、全く答えられません。無責任な態度を改め、五輪の中止を決断し、コロナ対策に集中すべきです。
強権・腐敗政治にノー
基地周辺住民らを監視する土地利用規制法を強行したことは、菅政権の強権体質を浮き彫りにしました。大型買収事件で起訴された河井克行元法相・案里元参院議員など「政治とカネ」の問題で自民党議員が4人辞職したことも問われます。総務省などで相次いだ接待疑惑も曖昧にはできません。
人権侵害に拍車をかける入管法改定案は世論の急速な広がりで廃案に追い込みました。声を上げれば政治は変わります。目前の東京都議選(25日告示)で日本共産党の躍進をかちとり、来たる総選挙で市民と野党の共闘によって政権交代を実現しましょう。