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2021年6月23日(水)

通常国会 共闘・世論が政治動かす(5)

悪法次々 政権交代を

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(写真)「土地利用規制法案は廃案に」とアピールする人たち=9日、参院議員会館前

 通常国会では憲法を無視し、悪法を次々と強引に通す菅義偉政権の姿勢が浮き彫りになりました。

 菅首相の看板政策であるデジタル関連法がその一つです。

 行政のデジタル化を通じて個人情報を集積し、行政が保有する膨大な個人情報を民間企業の利益のために利活用させるなどの問題が相次いで明らかに。日本共産党の塩川鉄也衆院議員は、デジタル化で行政窓口が減少し、必要な行政サービスが受けられなくなる恐れがあると強調。田村智子参院議員は、現行制度で米軍横田基地騒音訴訟の原告の情報まで民間提供の対象としていたことを暴露し、「国の情報集約が国民監視、市民活動の萎縮につながる」と警鐘を鳴らしました。

 菅政権の冷酷さや強権性を示したのが、沖縄戦の戦没者の遺骨が眠る南部の土砂を使って、辺野古新基地建設を進めようする姿勢です。政府は当初、県外土砂の使用を予定していましたが、外来生物の侵入を防止する県外土砂規制条例を回避するため、県南部の土砂に目をつけたのです。

戦没者への冒涜

 「戦没者への冒涜(ぼうとく)だ」。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員はこう迫り、戦没者の無念と遺族の心情に寄り添って本島南部からの調達を中止するよう求めました。本島南部で犠牲者が多いのは、当時の日本軍が南部に撤退しながら戦闘を続けたからだとして、「政府が歴史的な責任を負っていることを忘れてはならない」と強調しました。しかし、菅首相は沖縄の歴史に触れず、沖縄の歴史に何ら敬意を示しませんでした。

 特に今国会で際立ったのは、菅政権が、東京都や沖縄県をはじめ全国の基地や原発周辺の住民を監視する土地利用規制法を、市民や野党が示した重大な懸念に答えぬまま、採決を強行したことです。

 同法は基地や原発周辺、国境離島の住民を監視対象とし、「機能阻害行為」があれば、利用中止を命令・勧告するもの。従わなければ刑事罰も科します。

 赤嶺氏は、要塞(ようさい)地帯法などの治安立法によって反戦を訴える人が弾圧された歴史を紹介。「(同法は)国民を日常的に監視し、軍の行動を邪魔する者は処罰する。戦前の考え方と変わらない」と強調しました。

異常さ明らかに

 日本共産党の山添拓参院議員の質問に、政府は調査対象や期間、実施主体について「条文上の規定はない」と認めました。14日の参考人質疑でも与党推薦も含めた参考人全員が「条文に歯止めが必要だ」と懸念を示しました。政府に歯止めのない調査権限を与え、処罰行為すら曖昧であるという法律の体をなしていない異常な法律であることが明らかになりました。

 法案の欠陥が次々と明らかになる中、政府・与党は国会閉会日である16日の未明に強行成立させました。国会前では抗議の声があがり、ツイッターでは「#土地規制法案を廃案に」が13万件超も拡散されました。

 強権的に違憲立法を通す菅政権を倒し、政権交代を果たすための新たなたたかいに取り組むときです。

 (おわり)

 (この連載は斎藤和紀、佐藤高志、中野侃、前田美咲、松田大地が担当しました)


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