2021年6月25日(金)
「赤木ファイル」 財務省が国会提出
野党、原本照合など要求
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財務省は24日、衆院財務金融委員会と参院財政金融委員会の理事懇談会に、学校法人森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」を提出しました。野党は、提出された「赤木ファイル」と財務省が持つ原本の照合を要求。麻生太郎財務相出席の閉会中審査で真相解明するよう求めました。
「赤木ファイル」は、改ざん作業を強いられ命を絶った近畿財務局職員赤木俊夫さんが改ざん過程をまとめた文書。妻の雅子さんが裁判で国に開示を求め、1年余を経て22日に国が雅子さん側に開示しました。
理事懇で野党議員が、原本と同一なのか確証がないとして、理事会メンバーに原本を提示の上、国会提出されたものとの照合を求めたのに対し、大鹿行宏理財局長らは、裁判の原告からも要求があるとして、次回公判(7月16日)の対応を踏まえて検討するとの答弁に終始しました。
野党側は、安倍晋三首相(当時)の妻の昭恵氏の言動が話題になったとされる2014年2月28日の学園と同省近畿財務局の面会記録が含まれていないと指摘。同省は、面会記録は「ない」と言い張りました。
理事懇後の記者会見で日本共産党の清水忠史議員は「改ざんをめぐる同省の調査報告書では、当時の佐川宣寿理財局長が改ざんの『方向性を決定づけた』と曖昧な表現だったが、赤木ファイルでは佐川氏の『直接指示』だったことが確認された」と指摘。指揮命令系統をより詳細に明らかにする必要があるとして、本省間でのやりとりを開示するよう求めました。
立憲民主党の末松義規議員は「麻生財務相の責任は重大だ。閉会中審査を」と強調しました。
参院の理事懇では、共産党の大門実紀史議員が「赤木ファイルはどこにあったのか」と追及。大鹿理財局長は「本省にあった」と認めました。