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2021年7月4日(日)

米軍ヘリこの無法 新宿ビルとの高度差87メートル

航空法(300メートル以上)・日米合意に違反

図

 米軍横田基地(東京都)所属のUH1多用途ヘリが都心で低空飛行を繰り返している問題で、本紙が6月25日にJR新宿駅上空付近で撮影したUH1Nと、航空法が定めるヘリから半径600メートル以内にある最も高い建物との高度差が87±2メートルだったことが分かりました。

 航空法は、航空機の半径600メートル以内にある最も高い建物などの障害物との高度差を300メートル以上とるよう求めています。

 米軍は日米地位協定によって航空法の適用を除外されていますが、1999年の日米合意では「在日米軍は日本の航空法に規定されている最低高度基準を用いている」としており、これに反する飛行だった疑いがあります。

写真

(写真)新宿駅西側を飛行するUH1N=6月25日、東京都新宿区

 本紙は撮影したヘリの画像をもとに低空飛行解析センター(大野智久代表)に解析を依頼。カメラからヘリまでの直線距離、方位、仰角を測定し、国土地理院地図を用いて、ヘリ、最も高い建物である「新宿三井ビルディング」の標高(海抜高度)を、それぞれ求めました。

 その結果、ヘリの標高は350メートル、新宿三井ビルディングは同263メートル、その差は87±2メートル(約88メートル)しかありませんでした。(図)

 低空飛行解析センターの大野代表は「首都のど真ん中で、航空法・日米合意に違反する飛行を明らかにしたのは初めてだと思う。国や東京都は自ら飛行実態を撮影し、高度を割り出すなど調査に乗り出すべきだ」と語っています。


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