2021年7月13日(火)
ゲノム編集トマト野放し
開発企業が苗を無料配布
生態系に影響の恐れ
紙議員に対し政府が答弁書
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ゲノム編集技術で開発された「GABA(ギャバ)トマト」の苗が今年、希望者5千人に無料配布されるなど、生態系に影響を与えかねない行為が野放しになっている実態が明らかになりました。
日本共産党の紙智子参院議員が「ギャバトマトなど、ゲノム編集技術によって開発された動植物・魚類」に関する質問主意書を提出。このなかで紙氏は、ギャバトマトの開発企業と無償配布の経緯をただしました。
これに対する答弁書(6月25日決定)で菅義偉内閣は、開発したのは種苗企業「サナテックシード」で、2020年12月11日に届けが出され、当日受理したと説明。無料配布については、法令に基づく政府の権限はないと居直るなど、野放しにされている実態が明らかになりました。
開発企業が政府に提出した文書・資料を明らかにするよう紙氏が求めたのに対し、答弁書は「開発企業の権利、利益を害するおそれがあるので、明らかにできない」と回答。ギャバトマトと在来トマトの花粉が交雑すれば、生態系に影響を及ぼす可能性があることから、在来(栽培)トマトの野生化実態調査は行われているのかとの質問には、「お答えするのは困難」だとしました。
ギャバトマトでトマト農家が風評被害に苦しむことにならないかとの質問には、「食品としての安全性や生物多様性への影響に問題がないことを確認している」と回答。まともな情報公開も食品表示もなく、安全・安心を軽視する政府の姿勢があらわになりました。