2021年7月31日(土)
辺野古サンゴ移植 沖縄知事が許可撤回
条件守らず国の作業開始で
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沖縄県の玉城デニー知事は30日、県庁で記者会見し、県が28日に条件付きで許可した同県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う沖縄防衛局のサンゴ特別採捕・移植について、許可を撤回することを発表しました。29日に防衛局が条件を守らずにサンゴの移植作業を開始したためです。
県はサンゴの生残率(生き残る確率)を高めるため、高水温や繁殖の時期を避け、台風シーズンに移植したサンゴが損傷する恐れを考慮し、適切な移植時期を選定することなどを許可の条件としていました。
デニー知事は、今は高水温の時期であり、台風がいつ襲来してもおかしくないことを指摘。条件に従わない防衛局の行為は「ただでさえ高くないサンゴの生残率をますます低下させる」「水産資源保護法の趣旨に反する」と批判しました。
県は30日、採捕・移植現場の作業の確認などを行い、直ちに作業を中止するよう行政指導を行いました。防衛局から従わない旨の回答があり、許可を撤回しました。
防衛局は2019年、約4万群体のサンゴの移植のために県に特別採捕許可を申請。県は同申請について農林水産相が許可するよう是正指示をしたことは違法な国の関与だとして取り消しを求める訴訟を起こしました。
最高裁は6日に県側の上告を棄却しました。最高裁の判決を受けて、県は条件付きで許可していました。