2021年8月7日(土)
禁止条約に一言もふれない首相あいさつはあまりに情けない
式典後 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は6日、平和記念式典後に広島市内で会見し、記者から式典の所感を問われ、「今年の平和式典は、核兵器禁止条約が発効してから最初の式典で、大変重い意味を持つ。被爆者や広島・長崎の皆さんが求める核兵器禁止条約の署名、批准を一刻も早く行うという政治決断を日本政府に求めたい」と語りました。
志位氏は、式典で松井一実広島市長が読み上げた平和宣言で「核抑止政策の転換」という言葉が明記され、「一刻も早く核兵器禁止条約の締約国になる」ことを政府に求めたのは、「大変重要な内容だ」と強調。「唯一の戦争被爆国の日本が参加すれば、核兵器を違法化した禁止条約の法的規範力は格段にパワーアップすることは間違いない。そういう方向に進むように力を尽くしたい」と決意を表明しました。
菅義偉首相の式典あいさつの受け止めを問われ、「核兵器禁止条約について一言もなかった。この条約が発効したことは国際政治の動かせない現実であるわけで、言及しないのはあまりに情けない態度と言わなければならない」と批判しました。
また志位氏は、「平和式典に毎年参加しているが、(原爆が投下された時刻の)8時15分というのは非道に非道を重ねるものだと強く実感する」と強調。同時刻は人々が通勤・通学で街に外出する時間であり、しかもB29は岡山県に行くそぶりをして、人々をいったん安心させたうえで原爆を投下したと言われているとして、「まさに人々の命を無残に奪うことが投下の目的であり、広島の美しい街をどれだけ破壊できるかという実験場として選んだ。非人道的な所業は許しがたい。二度と繰り返してはならないと強く思う」と語りました。