2021年8月12日(木)
「すでに救える命が救えない事態始まっている」
全国の大学病院で集中治療制限35%
78病院が回答
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新型コロナウイルス感染症の重症例を重点的に診療する全国の大学病院の状況について、全国医学部長病院長会議(事務局・東京)が今月、緊急調査の結果を公表しました。調査に応じた78病院の35%にあたる27病院が、集中治療室での患者受け入れを制限したと回答。同会議はコロナ患者への対応で通常医療にしわ寄せがきているとして「すでに通常であれば救える命が救えない事態が始まっていると推測される」と警鐘を鳴らしています。
発表は10日付。同会議は全国の国公私立大学の医学部長や大学病院長でつくります。感染の急拡大を受けて今月5~6日、全国82の大学病院を対象にメールでアンケートを実施しました。
その結果、救急患者の受け入れを制限した病院が15(19%)、手術を制限した病院が19(24%)ありました。
緊急事態宣言の対象となった6都府県の25病院でみると、集中治療の制限が10病院(40%)、救急受け入れ制限が7病院(28%)、手術制限が4病院(16%)で行われました。
同会議は同時に公表した声明で「『明日は我が身』のことと認識し、危機意識を共有していただくよう切にお願いする」と呼びかけています。