2021年8月25日(水)
パラ開会日にブルーインパルス
地上は「密」状態
「宣言」下でも飛行強行
東京パラリンピックの開会式が行われた24日、航空自衛隊の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」が都心上空を飛行しました。東京都に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出されていますが、開会式がある国立競技場(新宿区)周辺には多くの人が集まりました。(小林圭子、丹田智之)
| |
|
空自は公式ツイッターで、飛行時間やルートを公表していました。午後2時すぎ、6機がカラースモークを出して上空に現れると、人々は「密」状態で歓声を上げてカメラを向けました。
「飛行ルートの情報が事前に出ていたので、見に行きたくなった」
マスクを2重にした女性(61)=世田谷区=は、新型コロナの感染拡大に危機感を持ちながらも電車を乗り継いで来ました。
「せっかくなので国立競技場の近くで見たかった」という北区の男性(34)は、0歳の長男がいるため、普段は仕事以外の外出を自粛しているといいます。「2回目のワクチン接種を終えましたが、息子に感染させてしまうことが心配です。今日はすぐ帰ります」と不安げな様子でした。
「夏休みの思い出になれば」と8歳の長男と3歳の長女を連れて来た女性(35)は「感染のリスクを避けるため、葛飾区の自宅から車で移動しました。区の学校連携観戦が中止になったことは、今の状況なら仕方がない」と話しました。
ブルーインパルスは東京五輪の開会式当日も飛行。都によると飛行の前後に、国立競技場周辺に5千人を超える人が集まるなど問題になっていました。
国立競技場から近いJR千駄ケ谷駅前では、「中止だ! パラリンピック」「いのち・暮らし・雇用・営業を守れ」と書かれたプラカードを掲げて抗議する男性の姿もありました。
自転車で通りがかった女性(73)=新宿区=は「新型コロナは感染力が強いと言われているので、人が集まるのは危ないと思います。一人ひとりが気をつけて感染拡大を抑えないといけないのに…」とつぶやきました。
買い物から帰る途中の女性(25)=同区=は、周辺の人の多さに驚いた様子で「パラリンピックを開催するのは不安が大きい」と語りました。