2021年8月26日(木)
自衛隊派遣
米軍退避の一翼担う
衆参理事懇 赤嶺・井上議員が批判
イスラム組織タリバンが実権を掌握したアフガニスタンに邦人等の退避を理由に自衛隊機を派遣した問題で25日、衆院安全保障委員会と参院外交防衛委員会の理事懇談会が開かれ、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、井上哲士参院議員が説明を聴取しました。
赤嶺氏は日本人大使館員の退避がすでに英軍機で行われていることに言及。「アフガンに残っている邦人はわずかで、輸送の中心は、アフガン人になっている。目的が邦人退避からアフガン人退避に変わっている」と指摘しました。
政府側は「あくまでも邦人退避が目的だ」としつつ、現地に残っている邦人が「少数」であることを認め、すべてが退避を望んでいるわけではないことも明らかにしました。
赤嶺氏は「いまアメリカの事実上の占領統治が崩壊して、それに協力してきたアフガン人をどう国外に退避させるかが問題になっている。そうした下で、日本も自衛隊を派遣して、米軍の退避作戦の一翼を担うということだ」と批判しました。
参院では井上氏が、大使館の日本人職員は英軍機で退避させたのに、自衛隊を派遣した理由をただしました。
政府側は、急激な情勢の悪化の下、現地に出入りしている関係国の軍用機で退避させたが、その後、カブール空港が米軍により安全が確保され、アフガン人の日本関係者の退避が人道的にも必要と考え自衛隊機の派遣を決めたと述べました。退避者をすべて日本まで輸送する考えも示しました。
衆参両理事懇で野党は委員会の開催を求め、井上氏は「われわれは報復戦争でテロはなくせないと反対した。その検証のためにも委員会での質疑が必要だ」と述べました。