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2021年9月1日(水)

防衛省概算要求

軍事費5兆4797億円

コロナ禍で8年連続最大狙う

F35倍増 “爆買い”止まらず

 防衛省は31日に決定した2022年度予算の概算要求で5兆4797億円を計上しました。過去最大だった前年度予算の5兆3422億円を1374億円上回っています。10年連続で前年度を上回り、8年連続で過去最大の更新が狙われています。新型コロナウイルスの感染拡大で「軍事費削って医療に回せ」の声を踏みにじり、米国製武器の爆買いなど大軍拡に歯止めがかからない状況です。


図

 米軍再編・SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費やF15戦闘機の改修は金額を示さない「事項要求」としており、総額はさらに膨らむ可能性があります。

 費目別にみると、過去の契約の支払いに計上される「歳出化経費」2兆2517億円(対前年度比2139億円、10・5%増)が最も多く、予算総額を押し上げました。

 内訳をみると、米国製F35Aステルス戦闘機の取得が前年度の4機から8機(779億円)、護衛艦から発着可能なF35Bも前年度2機から4機(521億円)と倍増。また、F2に代わる次期戦闘機開発も1047億円と前年度の576億円から倍増しています。

 また、最先端技術の軍事動員を進めるため、研究開発費は21年度当初比1141億円増の3257億円で過去最大となりました。宇宙軍拡を本格的に進めるため、「宇宙作戦群」を創設します。

 長射程化した12式地対艦誘導弾の艦艇・航空機の搭載に着手。憲法違反の敵基地攻撃能力を強化します。

 総額1兆円規模となる「イージス・システム搭載艦」をめぐり、建造費の計上は断念した一方、米ロッキード・マーチン社のSPY7レーダーの「洋上仕様変更」58億円を計上。艦船導入のめどがないのに、米側の顔を立てるためにレーダー導入に固執しています。

 複数年度にわたって支払うため、次年度以降に計上する軍事ローン=「新規後年度負担額」は対前年度比2012億円、7・8%増の2兆7963億円となり過去最大です。


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