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2021年9月9日(木)

災害援護資金の返済免除

阪神・淡路大震災 神戸市議会が議案可決

 阪神・淡路大震災(1995年)の被災者が借りた災害援護資金で神戸市議会は6日、未返済分の709件、約11億5千万円(利息含む)の債権を放棄し、返済を免除する議案を全会一致で可決しました。これにより神戸市では、被災者が長年苦しんできた返済の問題がほぼ終息します。

 同資金は国と自治体が原資を負担し、最高350万円を貸し付けるもの。阪神・淡路大震災では兵庫県で5万6422件、約1309億円が貸し付けられました。

 2000年から返済が始まり、生活再建の遅れから返済できない人が続出。月1000円からの少額返済が実現しましたが、完済は困難な被災者が多くいました。返済免除を求める世論と運動の中、国は15年4月、少額返済者でも将来にわたり返済見込みなしと自治体が判断すれば免除可と通知し、19年の法改正では年所得150万円未満なども免除可能になりました。

 神戸市では利用者3万1672件(約777億円)のうち、これまでに完済が2万3756件、国通知などによる返済免除が7201件。市は残る715件について、返済中の392人は高齢化と生活苦で完済は困難で、行方不明者ら317人も回収困難とし、それぞれ免除しました。返済に応じないとする6人には引き続き返済を求めます。

 救援復興県民会議、日本共産党神戸市議団などは一貫して、国や市に返済免除を求めてきました。

 未返済分のうち国負担分約7億3千万円は市が肩代わりして国に返済する予定で、国の返済要件緩和が求められます。


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