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2021年9月26日(日)

主張

子どもの感染拡大

安全な保育環境の保障直ちに

 デルタ株のまん延で子どもの中でコロナ感染が広がる新しい局面に保育現場が苦闘しています。日本共産党は、「保育所等のコロナ感染に関する緊急提言」をまとめ、政府に対策を申し入れました。子どもや保育職員らの感染を防ぎ、保護者も安心できる環境を整備することは、国の大きな責任です。

検査の徹底と拡充を急げ

 7月からのコロナ感染「第5波」は、保育所に深刻な影響を与えています。全国の休園はピーク時(9月2日)に185園を数え、22日時点でも43園です。22日までに感染者が発生した保育所は6455カ所、職員の感染は6242人、利用する乳幼児の感染は8527人にのぼりました。

 保育所は、「密」を避けられない環境です。感染対策と子どもの発達の保障を両立させるため、各園で懸命な努力が続きます。給食の際は子どもが向き合わないように座らせるなど神経を使います。おもちゃの消毒の徹底などいつも以上の労力が必要です。しかし、国の支援は不十分なままで、現場には疲労感が蓄積しています。

 デルタ株拡大で保健所の業務がますますひっ迫し、保育士や園児が濃厚接触者になっても行政検査が受けられない事態が広がり、園独自のPCR検査に踏み切ったところもあります。

 「子どもはワクチンも打てないしマスクも難しい。感染防止に努力してきたが、現場の努力だけではもう限界」(保育士)、「有休はとっくに使い切ってしまい、無給で休んでいる。休園がこれ以上続くと厳しい」(保護者)などと悲痛な声が上がっています。

 日本共産党の緊急提言は、何より感染の連鎖を断つために検査の徹底と拡充を求めています。(1)保育所で陽性者が出たら迅速にすべての子どもと職員を対象に行政検査を行う(2)無症状者の定期的検査を施設の費用負担なくできるようにする(3)保育所や家庭に検査キットを配布し、必要なとき速やかに検査できるようにする―は待ったなしです。保育労働者への速やかなワクチン接種も重要です。

 保育所での感染を抑える上で、子どもの体調が悪かったり登園自粛が求められたりした時に、保護者が安心して休める保障が欠かせません。「派遣社員なので、保育所の休園を理由に休暇を申請したら恐らく切られる」などの不安が聞かれます。労働者が確実に休暇をとれるようにし、所得保障を国の責任で行うよう求めます。

 未就学児を含め「小学校休業等対応助成金・支援金」が復活することになったことは前進です。従来の制度の問題点の改善と、制度の周知徹底が急がれます。

力を合わせて実現しよう

 緊急提言は、保育所等の感染対策への経費補助、保育労働者への賃金削減の防止と慰労金の支給、臨時の人員確保への支援を提案しています。

 さらに、現在の保育所の面積基準・人員配置基準は子どもを「密」の環境に置かざるをえないものであり、ただちに改善の検討に入ることが必要です。

 保育所は、子どもの生きる権利、育つ権利、守られる権利、遊ぶ権利を保障するため、社会になくてはならない施設です。子どもと職員、保護者が安心して過ごせる保育所にしていくため、力を合わせていきましょう。


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