2021年10月5日(火)
日本共産党国会議員団総会
志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が4日の臨時国会開会にあたって開かれた党国会議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。
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みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。連日のご奮闘に心からの敬意を申し上げます。臨時国会の開会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。
党の歴史上初の挑戦――政権交代の最大の推進力・日本共産党の大躍進を
総選挙が文字通り目前に迫りました。
日本共産党は、今度の総選挙で、党の歴史で初めて、政権交代を実現し、新しい政権をつくることに挑戦をいたします。(「よし」の声)
その最大の推進力になるのは日本共産党の躍進です。「比例を軸に」を揺るがず貫き、「850万、15%以上」を掛け値なしに獲得し、日本共産党の大躍進をかちとろうではありませんか(拍手)。沖縄1区の赤嶺政賢さんの宝の議席を絶対に守り抜き、小選挙区でも議席を大幅に増やすために頑張りぬこうではありませんか。(拍手)
政治の中身も体制も「安倍・菅直系」の岸田政権では政治は1ミリも変わらない
9月29日、自民党の新総裁に岸田文雄氏が選出されました。その日の会見で私は、岸田氏の経歴、総裁選での発言にてらして、政治の中身では「安倍・菅直系政治」にほかならないと指摘しました。その後の人事を見ますと、党の幹事長に、誰がみてもあんまりだ(笑い)、という人物を起用しましたね。「政治とカネ」の疑惑で大臣を辞め、国会への説明責任を全く果たしていない人物を起用したのをはじめ、「安倍カラー」一色の人事となっています。政治の中身でも、体制の面でも、「安倍・菅直系政治」というほかないではありませんか。(「そうだ」の声)
行き詰まった自民党政治の枠内で、政権のたらい回しをしても、政治は1ミリたりとも変わりません。日本の政治を変えるには、政権交代を実現し、新しい政権をつくることが必要だということが、早くも浮き彫りになっているのではないでしょうか。
岸田新体制の問題点と総選挙の争点を明らかにする国会論戦を
臨時国会の論戦では、コロナ対応、内政と外交の基本問題で、日本共産党の積極的提案を明らかにしながら、岸田新体制の政治姿勢の問題点を徹底的に究明していきたいと思います。そのために、衆参の代表質問だけでなく、一問一答の予算委員会を開いて、国民の前で総選挙の争点を明らかにして、審判を仰ぐことを強く要求するものであります(「そうだ」の声、拍手)。岸田自民党は、「国民に説明する政治」というなら、野党のこの要求に、逃げずに答えるべきだ。このことを強く求めたいと思います。(「そうだ」の声、拍手)
共通政策と政権協力――二つの合意を広く伝え、日本を変える歴史的総選挙に
9月に入りまして、市民と野党の共闘で、二つの大きな前進が得られました。
9月8日、市民連合と野党4党党首が一堂に会し、野党共通政策で合意しました。六つの柱、20の項目からなる共通政策は、6年間の共闘の政策的到達点を集大成したものとなっています。平和・暮らし・民主主義・ジェンダーなど、内政・外交の全体にわたって随所で新しい政策的踏み込みが行われ、安倍・菅自公政治からのチェンジの要になる政策が明記されました。共闘の立派な政策的旗印が立ったということを喜びあいたいと思います。(拍手)
つづいて9月30日、日本共産党と立憲民主党の党首会談が行われ、政権協力で合意をいたしました。政権協力での合意は初めてのことであり、市民と野党の共闘を大きく発展させる画期的な合意になったと、ご報告したいと思います。(拍手)
新政権ができた場合、日本共産党は「閣外協力」で支えることになります。わが党は最初から「閣内協力も、閣外協力も、どちらもありうる」と言ってきました。要は日本の政治が変わればいいわけであります。その点で、党首合意は、「市民連合と合意した政策」を実行するために協力すると、きわめて具体的にのべています。まさに日本を変える歴史的合意といっていいのではないでしょうか。(拍手)
党首会談では、枝野代表から、今日の首相指名選挙での協力の要請がありました。私は、「こういう合意が確認された以上、当然、枝野代表に投票する」と答えました。今日の首相指名選挙では、「枝野幸男」とお書きください。よろしくお願いします。(拍手)
党の99年の歴史で、政権協力の合意を得て、総選挙をたたかうのは文字通り初めてのことになります。この間を振り返ってみましても、2015年9月に国民連合政府を提案して以来6年間かかりましたが、ようやく私たちの提案が実を結び、政権交代のスタート台に立てたことを、ともに喜びたいと思います。こうした画期的合意を得た最大の力は、「野党は共闘」と常に私たちの背中を押し続けてくれた、全国の市民のみなさんの運動であったということを、心からの感謝をこめて強調したいと思います。(拍手)
野党共通政策の合意、政権協力の合意――二つの合意によって、総選挙をたたかう共闘の基本的態勢がつくられました。これを力に、この合意を国民に広く伝え、日本の政治を変えようではありませんか。自公政権を倒し、政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権をつくる歴史的選挙にしていこうではありませんか。(拍手)
「比例を軸に」を揺るがず貫き、日本共産党そのものへの支持を広げに広げよう
9月8日の第3回中央委員会総会は、総選挙のたたかいで、「比例を軸に」を、過去のどの選挙でもなかった位置づけで、文字通り中心にすえてたたかうことを固く誓いあいました。これを選挙戦の最後の最後まで揺るがず貫きたいと思います。
「比例を軸に」とは何か。それは、日本共産党そのものの値打ちを広く伝え、日本共産党そのものへの支持を広げていくということであります。私は三つの角度に留意して、とりくみを進めようということを訴えたいと思います。
日本共産党ならではの先駆的政策を訴えぬこう
第一の角度は、日本共産党ならではの先駆的政策を訴えぬくということであります。
3中総決定は、自公政権を退場させて、どういう新しい日本をつくるかについて、四つの大争点を打ち出しました。いま「四つのチェンジ」ということで、私たちは訴えております。
わが党はその具体化として、これまで、「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」、「日本共産党の新経済提言」、「ジェンダー平等の日本へ いまこそ政治の転換を」――三つの重要な政策を発表してきました。どれも、日本共産党ならではの新鮮で、先駆的な提案として、広い国民の共感を広げているのではないでしょうか。
こうしたわが党の政策的先駆性の源にあるのは何か。党の綱領路線にほかなりません。たとえば、わが党の「新経済提言」と「気候危機打開の2030戦略」の両方を太く貫く考え方は、新自由主義からの根本的な決別・転換、ここにあります。コロナ危機を体験して、自民党の岸田新総裁ですら「新自由主義からの転換」と、言葉だけでも言わざるをえない状況があります。しかし、岸田氏は「転換」と言っても、中身はまったくありません。そればかりか、やろうとしていることの実態は、破綻した新自由主義の継続・推進そのものではありませんか。
わが党の政策は、新自由主義から転換するというのはどういうことかを、日本経済論としても、地球環境の問題でも、徹底的に突き詰め、具体的に明らかにしたものとなっています。
日本共産党ならではの政策的先駆性の源には、異常なアメリカ言いなり、財界中心の政治のゆがみをただすという党の綱領路線があります。ここに深い確信をもって、私たちの政策を縦横に訴えぬき、「比例は日本共産党」の大波を起こそうではありませんか。(拍手)
政権交代実現のうえでも、新政権を前進させるうえでも、最大の推進力
第二の角度は、政権交代を実現するうえでも、新しい政権を前進させるうえでも、最大の推進力となるのが、日本共産党の躍進だということを、訴えぬくことであります。
今度の総選挙で、政権交代を実現するためには、日本共産党自身が比例代表で大躍進することが、絶対に必要であります。3中総決定で強調したように、「比例代表選挙で日本共産党に投票する支持者が広がれば広がるほど、比例代表選挙はもちろん、小選挙区での勝利の道も開かれる」。これが大道であります。比例代表での日本共産党の躍進なくして、政権交代なし――この自覚と覚悟をもって頑張りぬこうではありませんか。(拍手)
同時に、私が強調したいのは、政権交代が実現し、新しい政権がつくられたさいに、新政権が共通政策を実行に移し、揺るがずに前進するためには、それを支える強大な日本共産党国会議員団が必要だということであります。
市民連合と合意した20項目の政策は、どれも実行しようとすれば激しい妨害や抵抗にぶつかるでしょう。たとえば沖縄の辺野古新基地の建設の中止一つとっても、野党になった自民党は妨害してくるでしょう。そのときに、新政権を支え、妨害をはねのけ、政策を実行していくためには、強大な日本共産党議員団がどうしても必要ではないでしょうか。日本の前途は日本共産党の躍進にかかっている。このことを訴えぬこうではありませんか。(拍手)
日本共産党の綱領、歴史、理念の魅力を縦横に語りぬこう
第三の角度は、日本共産党の綱領、歴史、理念の魅力を、大いに語りぬくということであります。
最近の二つの体験から、若干の点をのべたいと思います。
党創立99周年記念講演と3中総決定は、「暴力革命の党」といった日本共産党へのデマ攻撃に対して、どんな場合でも、平和的・合法的に社会変革の事業を進めるわが党の立場を明らかにして、徹底的な批判を加えました。その後、TBS系の番組でコメンテーターが「共産党は暴力的な革命を党の要綱として廃止していない」という発言を行いました。わが党は強く抗議し、コメンテーターは発言を撤回し、謝罪しました。このときに私たちが何よりも心強かったのは、この日本共産党攻撃に対して、他の野党のみなさん、多くの市民のみなさんから、強い抗議と連帯の声があがったことでした。この種の攻撃は、今後も激しくなることも予想されますが、日本共産党の本当の姿を語りぬくとともに、民主主義を守る連帯の力で打ち破っていこうではありませんか。(拍手)
日本共産党への関心や期待が広がるとともに、理念問題でのさまざまな疑問も寄せられています。先日、私はテレビ朝日のモーニングショーに出演する機会がありました。番組の最後に、コメンテーターの玉川徹さんから、「共産党の名前を変えられませんか」という質問がありました。私は“よく聞いてくれました”と思いまして、次のようにお答えしました。
「この名前は、私たちの理想を刻んだ名前です。その語源をたどるとラテン語のコムニス――『共同』からきています。人々が角を突き合わせるのではなくて、力を合わせて生きていこうということです。それがコミュニズムにつながっています。私たちの目指す共産主義というのは、人間の自由、人間の解放、これを目指す社会ですから、この名前は大事に使っていきたい」
3中総決定では、改定綱領、記念講演も生かして、未来社会の展望を大いに語ることを訴えましたが、この面でも、党の魅力を存分に語り、「比例は日本共産党」を広げに広げぬこうではありませんか。(拍手)
一日一日が勝敗分ける歴史的局面――全党と心一つに「必勝大作戦」をやりぬこう
いま入ってきた報道でありますが、総選挙の日程について岸田新総裁が、10月14日に解散、19日に公示、10月31日に投票の意向を固めたと報じられています。
そうなりましたら、今日から数えて解散まで10日間、公示日まで15日間、投票日まで27日間となります。
文字通り一日一日が勝敗を分ける歴史的局面に入りました。一日一日をお互いに悔いなくたたかいぬき、全党のみなさんと心一つに、公示日までに「総選挙必勝大作戦」の課題を掛け値なしにやりぬこうではありませんか。
公示日までに日本共産党躍進の確かな流れをつくりだし、総選挙では日本を変える素晴らしい結果をつかむためにお互いに全力で頑張りぬくことを誓いあいまして、ごあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)