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2021年10月12日(火)

4つのチェンジで希望ある日本を

8時間働けば普通に暮らせる社会

働くルール確立を

図

 コロナ禍で、失業や休業手当不払いなどが広がり、とくに非正規雇用労働者や女性労働者が犠牲になりました。日本共産党は労働者、労働組合と一緒に、雇用調整助成金コロナ特例やコロナ休業支援金制度の創設・拡充に取り組んできました。総選挙で政権交代を実現し、最低賃金全国一律・時給1500円やシフト制労働者の保護ルール確立などをめざします。(田代正則)


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(写真)コロナ休業支援金の拡充を要請する原田委員長(左側)と日本共産党の宮本徹衆院議員(真ん中奥)=3月23日、衆院第1議員会館

 コロナ禍の休業で、飲食チェーンやイベント会社、宿泊・観光業などの非正規雇用労働者に、休業手当が支払われない事例が相次ぎました。労働契約書に就業日数・時間が明記されていないシフト制だという口実で、事業主が休業手当支払いを拒否したのです。

 飲食大手フジオフードシステムのカフェで働く30代女性は、「シフトといっても、私たちは週4~5日など恒常的に働いています」と強調。「職場が忙しいときは、会社に頼まれ、無理して勤務日数を増やしてきたのに、休業のときは補償がないなんてひどすぎます」と首都圏青年ユニオンに加入し、休業手当を出すよう訴えています。

休業支援金を改善

 厚労省は、国が支払うコロナ休業支援金制度をつくりましたが、申請手続きに事業主の協力が求められるうえ、チェーン店など大企業の非正規雇用労働者は対象外とされたため、ほとんど活用できない制度でした。

 首都圏青年ユニオンや全労連は昨年10月、日本共産党の宮本徹衆院議員と厚労省に要請。事業主の協力がなくても月4日以上などの就業実績で、労働局が支援金支給を決定する「判断基準」がつくられました。

 今年1月、衆院予算委員会で日本共産党の宮本徹、立憲民主党の川内博史の両衆院議員らが追及し、前出の女性組合員と菅義偉首相(当時)の面会が実現。不十分ながらもコロナ休業支援金を大企業の非正規雇用労働者に対象拡大させました。

 「政治のあり方が私たちの生活に直結しているんだと初めて気づきました。このことをもっと多くの働く人たちに知らせたい」と女性は言います。野党で政権交代をめざす共産党に対して、「シフトをゼロにしても許されるような無法状態を規制して、子育てしながらでも普通に働け、生活できる社会にしてほしい」と期待を寄せました。

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(写真)「すべての非正規に平等な補償を」とアピールする人たち=2月17日、国会正門前

最賃1500円実現必ず

 コロナ禍で国民生活を支えるエッセンシャルワーカーの生活を守るためにも、最低賃金を全国一律にして1500円を実現する課題は切実です。

 2020年の最賃改定は、財界と安倍政権がコロナ禍を口実に最賃抑制をはかり、全国加重平均で1円増にとどまりました。

 全労連・国民春闘共闘は、コロナ禍こそ賃金底上げをと訴えました。財界側でも経団連の中西宏明会長(当時、故人)らが経済財政諮問会議で「地方の最低賃金のボトムアップ」と言わざるをえなくなるなど変化を生み出しました。今年の最賃改定は、現行制度最高額の平均28円増に盛り返しました。

 しかし、菅義偉前首相が表明した最賃目標は「平均1000円」にとどまっており、生活できる最賃にはほど遠いものです。岸田文雄首相は8日の所信表明演説で、「成長と分配の好循環」というものの、労働者が求める最賃引き上げに一言も触れませんでした。

 日本共産党はいち早く、全国一律制確立、1500円実現を政策に掲げました。

 市民連合の共通政策に合意した4野党は、一致して最賃1500円を掲げて総選挙に臨んでいます。

 全労連の黒澤幸一事務局長は、「政権交代で、中小企業支援策を抜本的に強化し、1500円へ引き上げよう。全国一律制度の法改正を実現しよう」と呼びかけています。

日本共産党の「新経済提言」から

○シフト制労働者の賃金の最低保障額や休業手当などの権利を守るルールをつくります。ギグワークなど無権利な働かせ方を広げる規制緩和に反対し、権利保護のルールをつくります。

○労働者派遣法を抜本改正し、派遣は一時的・臨時的なものに限定し、派遣労働者保護法をつくります。

○パート・有期雇用労働者と正社員との均等待遇をはかります。

○中小企業への社会保険料の減免や人件費補助など賃上げ支援を抜本的に強化しながら、最低賃金を時給1500円に引き上げ、全国一律最賃制を確立します。

○残業時間の上限を「週15時間、月45時間、年360時間」とし、連続11時間の休息時間(勤務間インターバル制度)を確保し、異常な長時間労働を解消します。

○高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)を廃止し、企画業務型の廃止など裁量労働制を抜本的に見直します。

○退職強要を許さず、解雇規制法をつくります。

○職場におけるパワハラ、セクハラをなくす労働行政を強化するとともに、ILO(国際労働機関)のハラスメント禁止条約を批准します。ハラスメント禁止を法律に明記します。


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