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2021年10月12日(火)

岸田首相の「聞く力」?

若者の面談に応じず2年半

 岸田文雄首相の特技は、「人の話を聞く力があること」とのこと。会った人との話をノートにメモして大事にする―。政治家として当たり前のことです。

 ただ、大事にしているのは「会った人」との話だけの様子。面会を求める有権者に、首相はどんな態度をとってきたのでしょうか。

 広島に「カクワカ広島」というグループがあります。正式名称は「核政策を知りたい広島若者有権者の会」。核兵器禁止条約の採択を機に2019年に活動を開始し、国会議員と面談して意見を交換、「核兵器禁止条約の批准に賛成ですか」と問いかけています。

 外相経験者で「核軍縮は政治家としてのライフワーク」と発言する岸田氏との面談は、結成時からメンバーが求めてきたこと。何度も面談を申し入れる手紙を出してきました。この活動は、7月にテレビ朝日「テレメンタリー2021」で放送されました。

 グループのメンバーによれば、放送後も岸田氏は面談に応じていないとのこと。若者たちを待たせて2年半。この状態を「人の話を聞く力がある」というには無理があります。

 自民党総裁就任後のテレビでは、16年5月、広島の平和公園で米国のオバマ大統領(当時)を案内する岸田氏の映像が、繰り返し映し出され、あたかも核兵器禁止へ向かってくれるかのように演出されています。

 実際は、「核兵器禁止条約への態度を知りたい」という市民団体とも会わず、首相就任記者会見では核兵器禁止条約への批准は触れずじまい。「核兵器禁止条約に署名を」。被爆地の大きな声を「聞く力」はないのでしょうか。

 (田村三香子)


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