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暴風雨、干ばつ、土砂崩れ、洪水、熱波、森林火災など、気候危機と呼ぶべき非常事態が、いま世界中で起きています。この地球規模の危機をどう打開するか―。日本共産党は「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」で、地球の現在と未来を守る政治へのチェンジをよびかけています。(三木利博)
非常事態
国連の世界気象機関(WMO)によると、気象関連災害は過去50年間で5倍に増加。WMO事務局長は「気候変動の結果、世界の多くの地域で極端気象が頻繁で深刻になるだろう」と述べています。日本でも毎年のように災害に見舞われており、温暖化の影響の可能性が指摘されています。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は18年の報告書で、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1・5度未満に抑える必要があること、そのためには30年までに温室効果ガス(その大半はCO2)の排出を10年比で45%削減し、50年までに実質ゼロにしなければならないと警告しました。
今年8月に発表された、気候変動の科学的知見をまとめたIPCCの第6次評価報告書は「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と断じ、温暖化が進むたびに、極端な高温や大雨、農業や生態学的干ばつが増加すると指摘。同時に、温室効果ガスの排出を大きく抑えるなら、今世紀末には1・5度未満になることを示しました。
すでに世界の平均気温は約1・1度上昇しています。人類に残された時間はありません。
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共産党は
日本共産党の「2030戦略」は、30年までにCO2を50%から最大60%削減しようという野心的な目標を提案しています。
この目標を達成するため、省エネルギーでエネルギー消費を40%削減する、電力の50%を再生可能エネルギーでまかなう―この省エネ、再エネを組み合わせて実行すること、これを大規模に進めるために、電力、産業、運輸、都市・住宅、自治体など社会のあらゆる分野での大改革を提案しています。
重要なことは、脱炭素、省エネ、再エネの実現は、生活水準の悪化や耐乏生活を強いるものでも、経済の悪化や停滞をもたらすものでもないという点です。それどころか、新しい雇用を創出し、地域経済を活性化し、新たな技術の開発など、持続可能な希望ある道があることを示しています。
政治の転換は待ったなしです。石炭火力利益共同体、原発利益共同体の抵抗を排除するため、財界いいなりの政治を変える必要があります。目先の利益さえあがればよい、後は野となれ山となれの新自由主義の政治の転換こそ求められています。気候危機の打開は、貧困と格差の是正と一体に推進してこそ、達成できます。
自公政権
ところが自公政権の対応はどうか。
岸田首相は本会議答弁で「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)」といいながら、肝心の30年度までの削減目標は46%削減(13年比。10年比換算で42%)を掲げ、50~60%削減を目標にする世界の主要国と比べても、IPCCが要請する45%と比べても、きわめて低いものです。
その上、ひとたび大事故になれば甚大な被害をもたらす原発に固執し、電源で最大のCO2排出源である石炭火力も「フェードアウト」と称して、国連が日本などに30年までに求める石炭火力廃止時期を明示せず、新規の石炭火力建設と輸出を推進しています。
さらに実用化のめども立っていないCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留技術)などに前のめりで対策を先送りする無責任なものです。