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2021年10月29日(金)

主張

総選挙と金権腐敗

疑惑隠ぺい政治終わらせよう

 安倍晋三政権から菅義偉政権へと続いた9年間は、国政の私物化と政治腐敗・モラル崩壊が極めて深刻な形であらわになりました。安倍・菅政治を継承した岸田文雄政権は、問題になった疑惑の解明に背を向け、政治をゆがめた大本をただす立場がありません。国民の怒りと不信を広げたことに反省のない自民党・公明党の政権に退場の審判を下す必要があります。政権交代を実現し、新しい政権のもとで数々の疑惑を徹底解明し、日本の政治を再生させましょう。

解明に背向ける岸田首相

 総選挙では安倍・菅政治の「負の遺産」の一掃が争点の一つです。しかし、岸田首相はまるで人ごとです。広島市内での遊説で、参院選広島選挙区の河井克行元法相・案里元参院議員夫妻の大規模買収事件について「おわび」を口にしたものの、買収原資の疑いがある自民党本部からの1・5億円の資金提供に一切触れませんでした。

 この事件は、民主主義の根幹である選挙を金で汚した重大な犯罪です。党本部からの資金の8割は税金である政党助成金です。他の自民党候補と桁違いの資金が送られた経過を明らかにすることは最低限の責任です。ところが首相は、金は買収に使っていないとする克行氏の言い分をおうむ返しにして疑惑にフタをしようとしています。首相が強調する「信頼と共感の政治」とかけ離れた態度です。

 首相の疑惑隠しは、「森友学園」「加計学園」「桜を見る会」などでも共通しています。「森友」疑惑では、財務省の公文書改ざんを強要された近畿財務局職員の赤木俊夫さんが自死しました。国有地の格安払い下げをめぐって安倍首相が関与を認めない国会答弁を行い、それに合わせて公文書が隠ぺい・改ざん・廃棄され、官僚が虚偽答弁を繰り返す中で、死に追い込まれたのです。

 俊夫さんが改ざん経過を克明に記した「赤木ファイル」が開示されて新事実が明らかになり、俊夫さんの妻・雅子さんが再調査を求める手紙を岸田首相に送りましたが、首相は結論は出ていると言うばかりです。権力者の国政私物化の犠牲となった命の重みすら直視しようとしない姿勢は重大です。

 「桜」疑惑では、都内のホテルで開かれた前夜祭費用補填(ほてん)をめぐり、検察審査会による安倍氏や元秘書の「不起訴不当」の議決を受けて検察が再び捜査しています。この問題でも岸田首相は解明の意思を示しません。安倍首相が国会で118回も虚偽答弁をした前代未聞の事態をはじめ、税金が投じられた公的行事を私物化した疑惑は絶対にあいまいにできません。

「負の遺産」清算こそ

 鶏卵汚職で起訴された吉川貴盛元農林水産相をはじめ、「政治とカネ」で辞職した議員が相次ぎましたが、自公は真相をうやむやにしたままです。かつて口利き・金銭授受疑惑で閣僚辞任した甘利明氏を自民党幹事長に就任させたことは、岸田首相自身が金権腐敗政治の根絶を求める世論に背を向けていることを示しています。

 野党共通政策は、「森友」「加計」「桜」疑惑など安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について真相究明を行うと明記しました。公平で透明な政治を実現するため、政権交代とともに金権政治追及の先頭に立つ日本共産党の躍進が重要になっています。


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