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2021年11月3日(水)

自民・維新 改憲発言相次ぐ

草の根から総反撃を

 総選挙の結果、自民党261議席、公明党32議席に加え、維新の41議席で改憲勢力は衆院で334議席で改憲発議に必要な310議席を上回りました。

 岸田文雄首相は、さっそく1日の記者会見で「党是である憲法改正を積極的に進めたい」と発言しました。

 2日には日本維新の会の松井一郎代表が、来年の参院選の投票と同日で改憲の国民投票を実施すべきだと発言しました。

同盟強化を強調

 米中対立が激化し、安保法制のもとで台湾海峡有事への自衛隊の参戦も視野に日米同盟強化が強調されています。安保法制を正当化するための改憲への動きが急になる危険性が強まっています。

 岸田氏は9月の自民党総裁選で「任期中の改憲」を繰り返し強調。総裁に選出されると、党の政調会長に改憲強硬派の高市早苗元総務相を抜てきしました。同氏は安倍晋三元首相の側近の一人で、日本会議国会議員懇談会の副会長。高市氏を総裁選に押し出したのは他ならぬ安倍氏です。高市氏の抜てきは、新たな「改憲シフト」の中核ともいえる動きです。

 総選挙公約には、高市氏の肝いりで「早期の憲法改正」を明記。安倍政権下でつくられた「改憲4項目」(9条への自衛隊明記、緊急事態条項創設、合区解消、教育充実)の推進もうたいました。公約には改憲に加え、敵基地攻撃能力の保持、国家安全保障戦略の改定や軍事費倍増など同盟強化、軍拡方針が明記されました。

自らを“主語”に

 総選挙中、安倍氏は街頭演説で「岸田政権のもとで憲法改正を実現したい」と、自らを“主語”にして語りました。岸田政権を自らの手足とするかのような異様な発言です。

 他方で安倍氏は、日本共産党や立憲民主党に対し「平和安全法制(安保法制)廃止を言っているが、これを廃棄してしまったら日米同盟は助けあえない同盟に変わってしまう。その瞬間に日米同盟は終わってしまう」と非難。憲法の上に日米同盟を置き、安保法制強行による立憲主義破壊を正当化しました。

 岸田首相は2014年7月14日の衆院予算委員会(外相当時)で、「集団的自衛権を行使しないと日米同盟に深刻な影響を与える事態」について問われた際、「日米同盟はわが国の平和と安定を維持するために重要」として、米軍に対する武力攻撃で集団的自衛権行使に踏み切る可能性を示しました。

 日米同盟最優先で憲法も平和も踏みにじって顧みない勢力に、憲法を論じる資格はありません。数を頼みに改憲を強行する動きに、新たな草の根からの総反撃が求められます。

 (中祖寅一)


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