2021年11月9日(火)
文書「不存在」あり得ぬ
学術会議任命拒否 6氏が補充書
不開示取り消し請求
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2020年10月に当時の菅義偉首相から任命を拒否された日本学術会議の会員候補6人と法律家が、情報開示請求した行政文書を「不開示」などとした政府決定の取り消しを求めている問題で、任命拒否された当事者と法律家は8日、行政不服審査法に基づく審査請求書の補充書を政府に提出しました。
審査請求書は、不開示決定の理由を示さないことを不服として今年8月に出されました。今回の補充書では、一部開示された文書をもとに、任命拒否を実質的に判断したのが杉田和博官房副長官(当時)であるのは明白だと指摘。6人を選び出す根拠となる文書が「不存在などということはあり得ない」として不開示決定の違法性を詳述し、あわせて審査請求人の口頭意見陳述を申し立てています。
同日、当事者のうち岡田正則早稲田大学教授、小澤隆一東京慈恵会医科大学教授の2人と法律家3人が記者会見しました。
岡田氏はこの1年を振り返り、「人事で行政や学術を支配しようとする菅政権のやり方が不信任とされた。岸田文雄首相には任命拒否した違法状態を解決する義務と説明責任がある」と話しました。
小澤氏は、任命拒否の下地が安倍政権時代からつくられてきたことがうかがえるとして、「学術会議の自律性を無視し官房副長官が6人を『外すべき者』とした文書を、公開すべきだ」とのべました。
審査請求代理人の米倉洋子弁護士は口頭意見陳述について「任命拒否された6人はどういう情報、経緯で決定されたのか確かめる権利がある。6人にも意見を聞いてほしい」と発言しました。