2021年11月20日(土)
「公正な賃金へ」たたかい実る
合意を組合員が承認
米農機大手ディア 1カ月超スト終結
【ワシントン=遠藤誠二】米農業・建設機械大手ディアの組合員は17日、会社側と交渉担当による3度目の暫定合意に関する投票を行い、賛成多数で受け入れることを決定しました。1カ月以上におよぶストをたたかってきた全米自動車労働組合(UAW)は「公正な賃金と手当を求めるこの国の気分を捉えたストライキは、画期的合意を組合員が承認し、終結した」と発表しました。
UAWのディア組合員1万人は10月14日から、イリノイ州、アイオワ州など14カ所の工場等でストを開始しました。同月30日に、賃上げや医療手当の増額などで会社側と交渉担当が2度目の暫定合意に達しましたが、組合員は「不十分だ」としてこの合意を拒絶。12カ所の工場でストが続いていました。
承認された合意は、今後6年間の有効な労使間の契約で▽20%の賃上げ(そのうち10%は年内に即実施)▽8500ドル(約97万円)の一時金支給▽退職・医療手当の充実・継続―などです。会社側は同合意を最終のものとして提示。組合員は17日、投票を行い、賛成61%、反対39%で受け入れを決めました。
UAWのカリー議長は、「ディアの組合員は、単に彼らだけで団結したのではない。職場での公正をもとめるこの国のたたかいに連帯した。彼らとその家族ほど誇らしい人たちはいない」と労働者を称賛しました。
米国では、食品大手ナビスコ、医療保険組織カイザーパーマネンテ、ハリウッドの映画テレビ産業の労働者などが、ストを通じ賃上げや労働条件の改善を勝ち取っています。シリアル食品大手ケロッグの組合員は、現在もストを続けています。