しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年12月3日(金)

上限超え献金 維新受け取り

村上世彰氏から2150万円

 日本維新の会とその党支部が、旧「村上ファンド」などの活動で知られた投資家の村上世彰氏から2020年に計2150万円の寄付を受けていたことが本紙の調べで分かりました。政治資金規正法は一個人から政党への寄付の年間限度額を2000万円と定めており、上限を超える寄付を受けた形です。

 (「政治とカネ」取材班)


写真

(写真)村上世彰氏からの2000万円の献金を記載した日本維新の会本部の政治資金収支報告書(下)と、150万円の献金を記載した同党衆議院大阪府第17選挙区支部の収支報告書(一部加工)

 11月末に総務省と大阪府選挙管理委員会が公表した20年分の政治資金収支報告書から判明したもの。それらによると村上氏は20年10月26日に維新の会本部に2000万円を寄付。翌27日には同党の衆議院大阪府第17選挙区支部(代表者・馬場伸幸共同代表)に150万円を寄付していました。馬場氏は当時、党幹事長でした。

 規正法は上限を超える寄付をした者と、それを受け取った側の双方について「1年以下の禁錮または50万円以下の罰金」を規定しています。総務省政治資金課は、政党本部と支部への寄付は合算されるとしています。

 村上氏は本紙の取材に、維新の会本部への2000万円の寄付を認めています。同支部が届けた150万円の寄付については「馬場さん個人の事務所に送ったという認識だ。馬場さん側が(記載)ミスをしたのでは」と述べました。

 維新との関係について村上氏は「維新の勉強会に出ていた。私の提案の一部を政策として採用してもらった」と主張しています。

 日本維新の会は「わが党は、政治資金規正法にのっとり、相手側に限度額等を確認した上で、適正に寄付を受けています」と書面で回答しました。事実確認を求めましたが、「個々の支部などが対応することで党本部は答えられる立場にない」「一般論として、収支報告書に間違いがあれば訂正すればいい」との回答でした。

 村上氏は06年にニッポン放送株をめぐるインサイダー取引で東京地検特捜部に逮捕され、11年に最高裁による上告棄却で執行猶予付き有罪判決が確定。その後、投資家として復帰しています。

問われる維新の順法精神

写真

 上脇博之・神戸学院大学教授の話 個人が日本維新の会の本部と党支部に合計2000万円超を渡したのは、庶民ではできない高額ですから企業献金に匹敵する特別な献金でしょう。

 維新も村上世彰氏の側も、個人献金が2000万円を超えれば違法であることは承知しているはずです。維新の党本部は、2000万円を受け取った時点で、違法ではないか確認したでしょうし、党支部には村上氏から献金を受けないよう注意しているはずです。

 馬場伸幸衆院議員は当時幹事長だったのですから、党本部への献金を知らないはずがありません。維新に順法精神がないからこそ、違法献金を受け取ったのでしょうか。


pageup