2021年12月7日(火)
敵基地攻撃能力の検討明言
首相 改憲「国民に議論喚起」
岸田文雄首相は6日、衆参両院で所信表明演説を行い、歴代首相の所信表明演説のなかで初めて「敵基地攻撃能力」の検討を明言しました。また、改憲に向けて「国民の議論を喚起しよう」などと呼びかけました。
演説で岸田首相は、貧困と格差を広げてきた「新自由主義」路線の「是正」を口にしたものの、コロナ禍であらわになった脆弱(ぜいじゃく)な医療体制の根本的立て直しは示さず、傷ついた経済の支援もあまりに不十分な内容を列挙。一方で大企業支援策などを掲げました。
岸田首相は、新たな経済対策は「コロナ克服・新時代開拓のため」だと自画自賛しましたが、長年の医療従事者数の抑制・病床削減政策に何ら反省も示さずに推進する姿勢を表明。事業者への給付金は個人・法人向けともに大半が持続化給付金の半分にすぎません。
「新しい資本主義」を標榜(ひょうぼう)した首相ですが、財界本位のデジタル化への支援策を並べ、「分配策」はきわめて限定的な賃上げの促進だけで、労働法制の見直しには言及しませんでした。