2021年12月11日(土)
金融所得課税盛り込まず
与党が「税制改正」大綱
自民・公明両党は10日、「税制改正」大綱を決定しました。岸田文雄首相が総裁選時に主張していた金融所得課税の見直しについては「検討する必要がある」としただけで、先送りしました。
また、脱炭素を掲げるものの、温暖化ガス排出を抑制する効果のある炭素税は盛り込まれませんでした。
「新しい資本主義」の分配戦略として、賃上げ減税を盛り込みました。従来の賃上げ税制を2年限定で強化するとしています。法人税から差し引くことのできる金額を現行の賃金増加分の15%から大企業で最大30%、中小企業で最大40%に引き上げます。一方、賃上げに消極的な大企業には研究開発減税など投資減税を受けられなくする措置を設けます。
ただ、法人税を納めている企業は全体の4割程度で、6割の企業の労働者には恩恵はありません。黒字企業でも、法人税納税額が少額なら効果はほとんどなく、多くの中小企業の労働者には無関係です。
住宅ローン減税は控除率を現行の1%から0・7%へ引き下げた上で、控除期間を新築の場合に現行の10年から13年に延長します。土地にかかる固定資産税に関し、地価上昇時に税額を据え置く措置は、住宅地は終了し、商業地には税額上昇分を半分に留める新たな措置を講じました。