2021年12月11日(土)
「民主主義ゆがめた」
東京地裁 「Dappi」裁判始まる
一般市民を装って野党やメディアを誹謗(ひぼう)中傷するツイッターの匿名アカウント「Dappi」の投稿で名誉を傷つけられたとして、参院議員2人が発信元のウェブサイト制作会社「ワンズクエスト」(東京都)に損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が10日、東京地裁(小川理津子裁判長)でありました。会社側は出廷せず答弁書で棄却を求めました。また、訴えの内容の認否については「調査して追って返答する」としました。
提訴したのは、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉の両参院議員。公文書改ざんを強いられた財務省近畿財務局の職員が自殺したのは両議員が「1時間吊(つる)しあげた翌日」と、ウソの情報を「Dappi」が投稿したとして計880万円の賠償を求めています。
裁判後の会見で、小西氏らの代理人弁護士は「開設して以降、5000件超、毎日平均6件の投稿をしている。平日の9時から22時に集中し、土日の投稿はほとんどない。内容はネット番組や新聞をもとにしており、字起こしなど一定の作業量が伴う。組織的な投稿が疑われる」と指摘しました。
杉尾議員は「福山哲郎氏や蓮舫氏など国会質疑で目立つ野党議員をおとしめ、当時の安倍首相や近い議員を一生懸命持ち上げている。なんらかの政治的意図を持っているとしか思えない」と指摘。
小西議員は、何度も誹謗中傷投稿を受けた中で、国会閉会中の午前中にした委員会質問が午後1時すぎに内容をゆがめて投稿されたことを紹介。「私の質問が決まったのは前日。国政に関わっているか、国政に関わる人から雇われているか、集団で組織的にやっている違法行為だと思っている。民主主義をゆがめる行為だ」とのべました。