2021年12月16日(木)
新基地建設許さない
沖縄・名護市長選 岸本ようへい予定候補
来月16日告示
来月16日告示、同23日投開票の沖縄県名護市長選。沖縄の民意を無視して同市辺野古の米軍新基地建設を強行する官邸・自公政権与党丸抱えの現職市長に打ち勝って、新基地建設阻止を目指す、予定候補の岸本ようへい市議(48)=日本共産党、社会民主党、沖縄社会大衆党、立憲民主党、「新しい風・にぬふぁぶし」推薦=に思いを聞きました。(小林司)
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市長選は、辺野古の米軍新基地建設問題が大きな争点になります。地域住民に多大な影響を与える新基地建設問題について賛否を明確にせず、市民に真摯(しんし)に向き合わない現市政か、言うべきことをはっきり言い、市民の生命・財産を守る市政に転換するかが、問われています。
新基地は住民生活に危険が及ぶ場所に存在し、市民・県民の安全に大きな被害をもたらすであろうことは想像に難くありません。
沖縄では、米軍機からの落下物、騒音問題、人体に有害な有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)の流出など、米軍基地から派生する事件・事故が繰り返されています。
PFOSによる汚染問題で、米軍基地へのさらなる立ち入り調査が、日本側の思うようにできていない現状自体、考えられないことです。
新基地建設の埋め立て予定海域には活断層が存在し、北側の大浦湾では軟弱地盤が確認され、これまでに実績もなく機材もない、完成が見通せない難工事が続けられていることは大問題です。国民の税金をあと先考えず投入する工事を許していいのでしょうか。止めるべきは今です。
生物多様性に富んだ辺野古・大浦湾の海は何億年とかかって形成されてきた未来への地球の遺産です。それを新基地建設で破壊するようなことはあってはいけません。子どもたち・若者のためにも未来を見据え、新基地建設を止めて自然環境を守るべきです。
気候変動や温暖化が進行し、異常気象も起こっている中、自然環境を再生しよう、生活できる地球を取り戻そうということが今、世界的に叫ばれています。日本政府自身も、SDGs(持続可能な開発目標)の推進を掲げているのに、新基地の建設を強行することは、矛盾も甚だしい。逆行しています。
新基地によって想定される住民生活への被害や環境破壊について市議会の質問でも何度も訴えてきましたが、新基地建設問題について現市長は何も言おうとしません。本当に無責任です。
子育て支援 手厚く
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11月25日に玉城デニー知事が、新基地建設の軟弱地盤改良工事に伴う沖縄防衛局の設計変更申請を不承認としました。不承認を支持し、デニー知事としっかり連携を図って新基地建設を止めていきます。
父の岸本建男元市長は1999年、15年間の使用期限など七つの厳しい条件を付け、「どれか一つでも条件を満たせなければ受け入れを撤回する」として苦渋の決断で、米軍普天間飛行場(普天間基地)=同県宜野湾市=の辺野古への移設の「受け入れ容認」を表明しました。
しかしその後、7条件は守られず、日本政府は、父の市長退任直前に辺野古沿岸部を埋め立てる「沿岸案」を提示してきました。父は沿岸案について「論外である」「到底、受け入れることはできない」との言葉を残して退任後、間もなく亡くなりました。
父は任期の8年間、命がけで住民・市民のこと、沖縄全体のことを常に考えながら政治活動をしていました。沿岸案を「決して認めないぞ」との思いだったでしょう。父の思いを引き継いで、名護市だけでなく周辺自治体にも影響を与える辺野古の新基地建設は「認められない」「止める」としっかり訴えていきます。
交付金頼らず
名護市で実施されている保育料・給食費・子ども医療費の無料は継続し、さらに手厚い子育て支援を行いたいと思っています。
現市政では、保育料・給食費・子ども医療費の無料を、在日米軍再編の受け入れ・協力を表明した地方自治体に支払う「再編交付金」を利用して行っています。将来を見据えた場合、再編交付金に頼らない独自の財源確保が必要です。
再編交付金がなくても市民の税負担を増やすことなく、保育料・給食費・子ども医療費の無料を続けることは十分に可能です。
現在、保育料・給食費・子ども医療費の無料の事業にかかる予算は約6億7000万円で、市の近年の一般会計予算の平均の約430億円の1・5%程度です。予算の無駄をなくすことなどでやりくりできます。
再編交付金の交付が停止された稲嶺進前市長の時でも、保育料の2人目半額と3人目からの無料、中学卒業までの学校給食費の3人目からの無料を実施できていました。
デニー県政が公費で賄う「こども医療費助成制度」を来年4月から拡充し、県内全域で中学卒業までの医療費無料化を行うことなどから、市の負担は以前より軽くなります。
私が創設を公約している、幼児から大学生まで進学に必要な費用や子育てを支援する「子ども太陽基金」からも、保育料・給食費・子ども医療費無料の費用を捻出します。基金で若者の学びや人材育成もサポートしていきたい。
コロナ対策は
新型コロナ対策では、医療、福祉、学校、保育現場などで働くエッセンシャルワーカー(社会生活を維持するために必要不可欠な労働者)をしっかり支援します。市民と向き合って実際の声を聞く、開かれた市政をつくり新型コロナに対応する支援策を的確に行っていきます。
稲嶺進前市長が行っていた、市民の創意、要望、提案等を市政運営に反映する市民目線のまちづくりを推進するため、市長自らが市内で活動する団体等と身近なテーマで意見交換する懇談会、「お出かけ市長室」も再開したいと思います。
農産物の加工品を販売するなど農林水産業の6次産業化や、地場産業の育成で市民所得の向上も実現していきます。
日本政府の米国追従の姿勢が、沖縄の米軍基地問題だけでない、あらゆる分野での日本の政治に影響を与えています。
現在の政権与党の政治のままではいけないというのが今、ますます鮮明になってきています。国民目線の国民のための政治が行われるべきです。その意味でも新基地建設は止めるべきですし、名護市長選で勝利することは、国民のための政治を取り戻すことにつながると思います。
言うべきことは、日米両政府・米軍にはっきりと言い、問題を改善させるため、信念を貫いて取り組んでいきます。父・岸本建男は、誇りある「小さな世界都市・名護」を目指していました。市民と一緒に平和で豊かな誇りある名護市を築くため、市長選必勝に向け、全力で走り抜けます。
きしもと洋平 1972年生まれ。明星大学卒。早稲田大学大学院修了。2000年の「沖縄サミット」(第26回主要国首脳会議)事務局に勤務後、医療法人琉心会勝山病院に勤務。2006年名護市議選で初当選、現在4期。市議会軍事基地等対策特別委員会副委員長。父は1998年に名護市長に当選し2期8年務めた故岸本建男氏。