2021年12月17日(金)
憲法生かす政治こそ
衆院憲法審自由討議 赤嶺氏が主張
|
衆院憲法審査会は16日、岸田政権発足後初の自由討議を行い、各党が意見を表明しました。日本共産党の赤嶺政賢議員は、改憲原案の発議・審査を任務とする憲法審は「動かすべきではない」と主張。多くの国民は改憲を優先課題とは考えていないと述べました。各党からは改憲をめぐってさまざまな意見が出されました。
赤嶺氏は「いま求められているのは、憲法に反する現実をただし、憲法を政治に生かすための議論だ」と強調。日米地位協定のもとで国民の命と暮らしが脅かされていると述べ、米軍機による落下物が相次ぐなどの重大事故が起きても日本の警察は捜査・検証を行うことができない現実をあげ、「これで主権国家と言えるのか」と指摘しました。全国知事会が地位協定の抜本改定を提言するなど国会内外で改定を求める声が広がっていると述べ、「地位協定を改定し、国民に基本的人権を保障することは政治が最優先で取り組むべき課題だ」と主張しました。
社民党の新垣邦男議員は、沖縄では米軍に起因する事件・事故が集中し、「沖縄は日本国憲法の番外地に置かれている」と指摘。「いま政治がなすべきことは、改憲ではなく憲法が保障している国民の権利の実現ではないか」と主張しました。
立憲民主党の奥野総一郎議員は、自民党の改憲4項目を前提とする議論であってはならいと表明。憲法53条に基づく野党の臨時国会召集の要求を自公政権が無視してきたことをあげ、「現行憲法を尊重しない与党が憲法を語る資格はない」と指摘しました。
自民党の新藤義孝議員は、9条改憲などを盛り込んだ自民党の「改憲4項目」について「今後の議論のためのたたき台だ」と述べました。
日本維新の会の馬場伸幸議員は、各党へ憲法改定案の提出を呼びかけるとともに、「岸田首相は具体的スケジュールを提示し、審査会での精力的な審査をリードすべきだ」と主張。公明党の北側一雄議員は、自衛隊を明記する9条改憲を念頭に「各国をみても実力組織の存在を明記するだけの規定は見あたらない。慎重に議論したい」と述べました。