2021年12月21日(火)
半導体企業に巨額補助
「5G促進改正法」成立 岩渕氏が反対討論
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半導体工場の新設に巨額の税金投入を可能とする「5G促進等改正法案」が20日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決され、同法が成立しました。日本共産党は反対しました。
同日、本会議に先立って行われた参院経済産業委員会での質疑で、日本共産党の岩渕友議員は、台湾半導体受託製造会社の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本工場の建設に関して「日本政府から強力な支援を受ける前提」だと発表していると紹介し、交渉経過を明らかにすべきだと要求。萩生田光一経済産業相は「支援することを約束した事実はない」と答弁し、TSMC側との食い違いが浮き彫りになりました。
また、岩渕氏は日本の半導体シェアが1988年時点で世界トップの50・3%から2019年には10%に衰退したのは、日本市場での海外製品のシェア20%を目標に掲げるなどした対米従属の「日米半導体協定」(1986年)がきっかけではないのかとただしました。
萩生田氏は「日米半導体協定を契機に、政府として積極的な産業政策を後退させたことはその要因の一つであった」と認めました。
同日、質疑後に同経産委は同法案を与党など賛成多数で可決。採決に先立ち行われた反対討論に立った岩渕氏は、コロナ危機のもとでもIT・電機・自動車の多国籍企業には十分な体力があり、交渉経緯がまったく不明なまま、特定の外資・半導体メーカーに前代未聞の巨額の税金をつぎ込むことは国民の理解を得られないと批判。日本の半導体産業の「凋落(ちょうらく)」は、NEC、日立など半導体メーカーが設立したエルピーダメモリへの公的資金投入・破たんなど歴代自民党・経産省の政策失敗だと述べ、コロナ禍で深刻な打撃を受けた中小・小規模事業者支援を強く求めました。