2021年12月26日(日)
高額兵器購入 借金膨らむ
「後年度負担」 過去最大5兆8642億円
国民生活の予算 圧迫
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2022年度当初予算案で、高額兵器の購入費などを複数年度に分割して支払う軍事ローン「後年度負担」の総額が5兆8642億円に上りました。前年度より3312億円増加し、過去最大となりました。
防衛省は22年度予算案で過去最大となる約5・4兆円を計上しましたが、これを上回る“借金”を抱えていることになります。後年度負担分は今後、複数年度にわたって支払われるため、将来にわたって軍事費の増額をもたらし、財政を硬直化させる要因になっています。
内訳は、21年度以前の契約に基づき23年度以降に支払う「既定分」が2兆9620億円、22年度に契約し23年度以降に支払う「新規分」が2兆9022億円です。新規分は、前年度より3071億円(11・8%)増加し、過去最大になりました。
米政府から武器を購入する「有償軍事援助(FMS)」の増加が、軍事ローンの膨張に拍車をかけています。22年度予算案で、FMSの調達額は3797億円に上り、約49%も増加しました。FMSは、米政府が一方的に金額や期限を変更できるため、価格が高騰する傾向があります。
安倍政権のもとで米政府の圧力で米国製兵器の「爆買い」が押し付けられて以降、後年度負担は拡大し続けており、国民生活に関わる予算を圧迫しています。